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【第3回】「素材」を得て「地球のたまご」がどうしてこういう形になっているのか、そしてこの「地球のたまご」を、我々スタッフがどのように捉え、またどう使っているのかということをお伝えします。 2004年12月3日掲載 ■「地球のたまご」という素材建物は、竣工したときが完成といえるのでしょうか。そもそも完成とはなんなのでしょうか。OMソーラーの住宅においては、家は住まい手が入居してからもつくり上げていくものだと考えています。 この「地球のたまご」でも同様に、竣工から、われわれスタッフの「暮らし」がはじまり、その中で建物をつくり上げていく取り組みが始まっています。 「地球のたまご」は、いわば素材のようなものです。どのように使っていくか、工夫をしていくか、という取り組みには絶好の建物です。 今回は、このようなプランになった経緯を交えながら、住まい手にとっての素材としての地球のたまごをご紹介します。 ■大空間か、分棟型かスタッフ研修会で「地球のたまご」という名前だけが先に決まり、誰もが漠然と、たまご型の大空間施設を想像していました。 それまでの社屋は5階建の中古ビルで、フロアによって分断されており、大空間を欲していたという背景もありました。大空間の中で、各自が自分の荷物を飲茶のワゴンのようなものに入れて好きなところで仕事をする、というようなことも想像されていました。 ところが、建築設計を担当したOM研究所から提示されたものは、いくつかの小さな空間がつながった分棟型でした。これにはスタッフも驚きました。社内のコミュニケーションを阻害するのではないか、ペリメーターゾーン(外周部)が増え、熱的に不利なのではないか、という意見も出されました。 分棟型の建物を、長さ70mを超えるコリドール(廊下)がつなぎます。 この地球のたまごでは「大きな家、小さな町」という考え方を持っています。分棟のひとつひとつが家であり、それらが集まって小さな町をつくっている、というわけです。 家と家とをつなぐコリドールは、いわば街路のようなものでもあり、熱的には「家の外」であると考えています。とはいえ、ガラス張りの屋根では夏場に大変なことになりますから、酸化チタンを塗布したスクリーンに散水し、光触媒の効果で熱をさえぎる、といった取り組みは行っています。 ■型破りな発想と、その理由また、開口部は北側に大きくとり、南側を閉じる、という、太陽熱利用のセオリーからみると型破りなことを行っています。 以前のオフィスでは南面からの日射により、パソコンのディスプレイが大変見づらかったこともあり、思い切って南面を大幅に閉じ、冬の暖房はダイレクトゲインに頼らずOMソーラーでまかなう事にしました。 一方で、北側には大きな開口部とトップライトが設けられています。眺望的に南側より北側が優れていることも大きな要因です(メインエントランスから2階にあがると北側に開ける眺望は、自慢のスペースです)。 〔左〕北側にとった大きな開口部とトップライト。
■自然と応答する余地こうしたプランは「自然と応答する」という余地を残し、それぞれの部屋の「住まい手」たるスタッフが、それぞれの快適解を導き出していく、という行動を促したといえるようです。 簾をつけてみる部屋、ロールスクリーンをとりつける部屋、布で日射をコントロールする部屋など、その工夫は一様ではありません。 また、一般的には建物の南側に落葉樹を植え、夏は日射遮蔽と通風を、冬は日射を得るわけですが、連載1回目でもお伝えしたように、この敷地には成木の植樹がいっさいありません。南面は基本的には閉じているとはいえ、一部の開口部では日射が厳しいときもあります。今はよしずで対応していますが、つい先日、「どんぐりプロジェクト」で、建物南面にコナラの苗木を植えました。10年ほどたてば、この苗が役割を果たすようになるのでしょう。 |
地球のたまご |
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