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【第1回】どんぐりプロジェクト2004年11月5日掲載 地球のたまごの代表的な取り組みの一つに、「どんぐりプロジェクト」があります。 連載第1回目は、この取り組みを通じて起こった変化や周囲の反応などをお伝えします。 ■地球のたまごのランドスケープ計画「地球のたまご」は、汽水湖(海水と淡水が混ざった湖)である浜名湖のほとりに建っています。もともと養鰻池だった場所がバブル期に埋め立てられ、その後放置されていた土地です。 ここでのテーマは、「浜名湖の湖岸を再生し、水源となる」ということ。 湖のほとりにありながら水源となる、というのは一見おかしなテーマに見えます。しかし浜名湖は、他の湖に漏れず、生活排水の流入等による汚染が進んでいます。また、浜名湖の源流である都田川流域においても、農薬・除草剤の散布、あるいは放置された藪が目に付き、緑こそ多いものの環境の劣化が進んでいることを感じさせられました。 地球のたまごのランドスケープ計画は、この地を浜名湖の新たな水源とし、流域環境の再構築を目指そうという壮大な試みです。 【左】着工前の敷地を北側から望む ■「どんぐりプロジェクト」のはじまり「浜名湖の湖岸を再生し、水源となる」ために、まず、ランドスケープは地域の植生で構成していくことが決まりました。さらに、植栽にはスタッフも参加することに。この時はまだ、一般的な「植樹祭」のようなものを想像しており、まさか今のような大変なことになるとは、スタッフ一同想像もしていませんでした。 「どんぐりプロジェクト」の、どこが大変かというと…
こうした作業を、工事が着工する前から、暑い夏も寒い冬も、毎週のようにおこなってきました。
当初は旧社屋に置いていた苗の置き場所が足りなくなってその確保に奔走したり、敷地内で樹木を移植するために重機の免許をとったり、と、普通に造園工事を依頼しただけでは経験できない体験が数多くありました。 旧社屋と「地球のたまご」は同じ浜松市内ですが、自動車で1時間近くかかる距離にあります。普段はなかなか見に行く機会がありませんので、この「どんぐりプロジェクト」を通じ多くのスタッフが建築途中に何度も訪れることが出来たことも、よい経験になりました(現場の皆様には、その分ご迷惑をおかけしてしまいました。この場を借りて、改めてお詫びとお礼を申し上げます)。 ■プロジェクトの成果とこれからこうした参加型プロジェクトを通して、スタッフそれぞれがランドスケープ計画の意図を十分理解し、敷地の維持管理も抵抗なく受け入れ られ、作業を通じて植物とのつきあい方を深めていくことができました。 ランドスケープ設計の田瀬理夫さん(プランタゴ代表・OM計画技術顧問)は、こうした現象を「グリーニング」と呼んでいるそうです。 この「どんぐりプロジェクト」は、設計者と事業者の考えが一致し、また多くの協力者にも恵まれ、竣工までの区切りを迎えることができました。今後は、スタッフだけの作業ではなく、地域の皆様や、あるいはランドスケープを学ぶ人たちにも門戸を開きながら、ゆっくりと作り上げていきたいと考えています。 竣工時に見えた年配の方が、「子どもの頃の風景を思い出す」と仰ってくださったことが、これからの作業の励みになっています。 これから「地球のたまご」に訪れる方は、こんな裏話も頭の片隅に置いていただき、ぜひ敷地内をぐるりと一周してみてください。 次回は、水処理を中心としたランドスケープのご紹介を予定しています。 |
地球のたまご |
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