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建築・空間構成

コリドールに続くアトリウム南面

OMソーラーの基本である住宅のスケールを持ち、地元の木を使って建てる、というコンセプトに基づいて、6棟の事務室とカフェテリアをコリドールが結ぶ、分棟型の建物となっています。オフィス利用を考え、南面の開口部を減らし、北側の順光を活かす展開です。ランドスケープに溶け込む低層2階建ての建物で、各棟に様々なOMソーラーシステムを導入しました。

平面(クリックすると拡大します)

1階平面図2階平面図

断面

断面図

「地球のたまご」のOMソーラーのしくみ

地球のたまごには、8つの事務室とカフェテリア棟に、それぞれ異なったタイプのOMソーラーが導入されています。ここでは、オフィス利用に適した仕組みをご紹介します。

OMソーラーの基本的なしくみ

「地球のたまご」のOMソーラー

熱と空気の流れ・冬

冬は、軒先から外気を取り入れ、屋根面で温めて床下へ送ります。

動画〔音声あり音声なし〕※

冬のしくみ

熱と空気の流れ・夏

夏は、屋根面を通して室内の空気を排出することで、換気とともに屋根の温度上昇を抑えます。

動画〔音声あり音声なし〕※

夏のしくみ

※動画再生にはMacromedia社のFLASH Playerが必要です。動画が見られない方は、FLASH Playerのプラグインが組み込まれていないか、お使いのブラウザのバージョンが旧い可能性があります。

ポイント解説

写真をクリックすると拡大します。

コリドール内部(拡大画像:148KB)

コリドール内部

コリドールとは、「回廊」の意味。構造材には金原明善が100年前に植えたという天竜杉を、OM木材乾燥庫で乾燥させて使いました。

※OM木材乾燥…木を建築用材とするために不可欠な木材乾燥。OMソーラーを利用した木材乾燥は、良質な乾燥と、CO2排出量を抑え環境負荷を低減する手法として生まれた。

カフェテリア

浜名湖が見渡せる水平連続窓と、白いヴォールト天井のカフェテリア。食事の他にも、OMソーラーの講習会や集会など、多目的に使える空間です。浜名湖の湖岸に沿って南北に長い屋根では、東西集熱を試みています。

カフェテリアエントランスからカフェテリア棟を望む

連なる事務棟(西側より)事務室

「地球のたまご」は、コリドールでつながれた6棟の事務室と、カフェテリアで構成されます。事務室は、それぞれが住宅程度の大きさで構成された無柱空間です。

事務室

部屋毎にいろいろな種類のハンドリングボックスを取り付け、その種類が分かるように天井に吊り下げて露出しています。

OMハンドリングボックス

エントランス

エントランスでは、ガラス細工で出来た簾戸が来客を迎えます。 トップライトから差し込む美しい光を正面に見ながら階段をのぼると、全長50m以上の伸びやかなコリドールへとつながります。 雨が大地に降り注ぎ、海に流れていく循環を描いた「緑の丘」の簾戸のガラス細工は、数ミリのガラス片で描かれ、それを二枚のガラスで挟み込んでいます。

エントランスエントランス

ガラス細工


ガラス細工は、OMソーラー(株)のスタッフも参加して制作しました。エントランスから2階にのぼると、コリドールの端から池が望めます。

アルコーブ

アルコーブ

建具を開くと約80坪の一体空間になる多目的スペース。中庭には、「アゼターフ(有機雑草)」や流域の植生が並んでいます。

■設備

ソーラールーフ

ソーラールーフ

集熱屋根、ハンドリングボックスなどがユニット化されたOMソーラールーフ。

合併浄化槽

合併浄化槽

生活雑排水(トイレや台所で使った水)を分解、浄化します。

酸化チタンスクリーン

日除けクリーン

コリドールや事務室トップライトには、日除けを目的としたスクリーンを張っています。夏場になると、ガラス面には散水パイプで、スクリーン面にはスプリンクラーで散水 して涼を得ています。
※スクリーンは、竣工当時は酸化チタンを塗布していましたが、2011年台風被害により張り替えが行われ、通常の日除けスクリーンが張られています。

ベトナム換気扇

ベトナム換気扇

風力のみで熱気を排出するベンチレーター。ベトナム製。訪れた人の目をひく一風変わった換気扇です。