コラム

  • OM羅針盤
OMソーラーが考えるよい家とは

環境と共生する
地域建築の創造と普及を通じて
社会貢献を。

 

これは私たちが1987年の創業時より掲げている企業理念です。

 

「環境と共生する地域建築」というと少し難しい感じがするかもしれませんが、冬に暖かい光をたっぷり取り込める家、初夏の爽やかな風が庭から部屋を通り抜ける家など、身近にある自然の恵みと上手につきあえる家づくりが、環境と共生する建築の第一歩です。

 

 

帰ってきて、ホッとした気分になれる家。

そんな家を私たちはよい家と考えます。


この「ホッとする心地よさ」のためにはいろいろな要素があり、家に求めるものによって人それぞれ、百者百様の正解があるため、とても一言でいい表す事は難しいのですが、私たちOMソーラーでは、豊かな温熱環境、自然エネルギー、その中でも太陽熱を利用した省エネ性能、そして、カッコいいデザインを兼ね備えていることが大切と考えています。

 

昔ながらの民家や町家にも自然と上手につきあう工夫が多くあり、それがその土地特有の家のデザインともつながっていましたが、その現代版とも言える「パッシブデザイン」による家づくりが私たちの理想の姿です。

自然とのつきあい方はあまり気にせずに、建物性能だけにこだわったり、最新設備に依存して流行りのデザインの採用や人気の家電、家具などを並べるに留まっている家づくりも多く見られますが、そういった家では、冷暖房費が異常に掛かったり、リビングに差し込む光がまぶしすぎたり、風通しや換気が不十分であったりと、快適とは程遠い家も少なくありません。

 

また最近では、建物や設備の省エネ化や太陽光発電の設置によって暖冷房や給湯、照明で使うエネルギーをゼロにする「ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)」という取り組みが盛んになり、省エネ性能を競い合うような風潮もあります。

もちろん省エネは家づくりに欠かすことができない重要な条件の一つであり、太陽エネルギー活用をする私たちにとっても大変重要な課題ですが、それだけに偏るのは、長い年月を過ごす家のあり方としては非常に心もとないのではないかと考えます。

関連ページ All Time Real ZEH

 

 

ここからの話を深めるために、私たちの仕事についてお話させていただきます。


私たちが提案する主力製品のOMソーラーシステムは、太陽の熱を床下全体に送ることで足元から部屋を温めるしくみです。

自然を相手にしたしくみは、天候の変化、建物のつくり方によってその恩恵は大きく変化するため、「熱と空気をデザインする」を合言葉にシステムの開発から家のつくり方について工夫を積み重ねてきました。

関連ページ OMソーラーの歴史

 

 

「ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)」が言われる十数年も昔から「エネルギー自給住宅」を掲げ、太陽熱利用と太陽光発電を併用するシステムに取り組んでおり、今では「OMクワトロソーラー」として販売しております。

また、「熱と空気をデザインする」のコンセプトの派生商品として、パッシブデザインの家に最適なエアコン「パッシブエアコン」にも力を入れています。

 

関連ページ パッシブエアコン

 

 

そしてOMソーラーの家づくりのパートナーとしては、その土地の気候風土や材料にも詳しい地域工務店をふさわしいと考えました。

そういった地域工務店の中でOMソーラーの考え方に共感し、技術を身につけ、ともに研鑽してきたのがOMソーラーの会員工務店です。

OM会員工務店は、工務店として備えるべき能力や情報を内外の研修プログラムなどにも積極的に参加して培いながら、設計スクールや会員同士の見学、勉強会などを通じてより高い設計力、施工力を身につける努力をしています。

全国的な工務店団体などにおいても主導的な役割を務める会員が多いことは、その実力を示すものであると言えます。

 

 

 

関連ページ 会員工務店一覧

 

 

また、家は入居してからが本当のスタートです。

つくるだけではなく、住み継いでいくための担い手としても地域に根ざした活動をする工務店の存在は心強いものです。

そして、万一、施工した工務店にメンテナンス等を依頼できなくなった場合はOMソーラーのネットワークを活かした保証制度や製品保証がバックアップします。


「住み始めてからの安心も用意されていること」。

これも私たちが考える「よい家」の大切な条件です。

関連ページ 保証・サポート

 

 

これらのことを前提とした上で、家の最大の目的は、暑さ寒さを適度にコントロールされた生活をするのにストレスを感じない最高の温熱環境を末永く提供することだと考えます。

 

温熱環境とは「居間の温度が何℃なら快適」という単純なものではなく、住んでいる人が、毎日の暮らしの中でどう感じるかということです。

「暖房で顔は火照ってるけど、背中や足元は寒い」とか、「寒いからトイレや洗面所には行きたくない」というような家では決してホッとする気分にはなれません。

「冬はそういうものだ」というのでは民家や町家の時代と同じです。

「夜中でも寒さを気にせずトイレに行ける」「スリッパを履いたり、靴下を重ねて履いたりしなくても快適に過ごせる」という家づくりのためには、家の中のどこにいても大きな温度差を感じないよう工夫や、同じ部屋であっても頭の方と足元の温度差を小さくする工夫が必要です。

 

 

 

 

では、一年中、一定の室温を維持することがいいことなのでしょうか。

私たちは病院などの特殊な環境を除けば、むしろ適度な変化は必要と考えています。

OMソーラーの考案者である建築家・奥村昭雄は「人間には強制的に作り上げた安定した環境よりも、自然のリズムと調和した温度変化の方が好ましい」としました。

人は一日中、室内だけで暮らすわけではなく、外出して屋外の暑さや寒さにも晒されています。また、季節の変化によって温度に対する感じ方も変わるものです。だから家の中の温度も、1日、1年と同じようなリズムで変化した方が自然だという考え方です。

とはいえ、真夏の暑さ、真冬の寒さなどは不快であり、高すぎたり低すぎたりする室温は人体にとって危険な場合もあります。そういった過酷な環境から人間を守るのも建物の重要な役割です。

自然の変化をどこまでを受け入れるのがよいのか、どの程度の温度の変化が人間にとって快適なのかという見極めが大事なのです。

 

 

 

 

こうした考えをもとに、気象条件と建物の性能から快適性や省エネ性能を予測するシミュレーションを開発し、OMソーラーの家の設計をする際には、一軒一軒の設計において利用しています。

また、機器の開発や施工方法についても実践と検証を繰り返しており、現在でも、太陽熱を最大限に活かすための研究、より精度が高いシミュレーションの開発、温熱環境が住人の健康に与える影響の調査、そしてこれらを踏まえた新たなシステムの開発に取り組んでいます。

関連ページ 技術

 

 

 

 

このように「心地よい家」のために大切なのは、どの技術や商品が優れているかという「選択」の視点ではなく、最適な組み合わせを考えることです。

また、「建物と設備のどちらにお金をかけるべきか」という議論もみられますが、これも二者択一ではなく、「心地よさ」を実現させるという目的に対して適切なバランスで考えなければいけません。

 

自然エネルギーと上手につきあう暮らしには、体感的な快適さだけではなく、自然のありがたさや、季節の変化を感じられる喜びという恩恵もあります。

一軒一軒の単位ではありますが、化石燃料の消費の削減にも確実に貢献しています。こうした精神的な喜びは、体感的な満足とともに心地よさにとって大切なことと私たちは考えます。

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