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お世話になっております!OMソーラー・マーケティング部のかつのです!
長かった夏も終わり、本格的な冬を前に皆さまに改めてお伝えしたいのが『太陽熱』。
すでにご存知かもしれませんが、ちょっとした工夫で住環境、特に温熱環境はガラッと変えることができます。
今回のコラムでは、前編と後編とに分けて我々OMソーラーの真髄である『太陽熱』を地域工務店の皆さまが味方にするメリットについてお伝えしたいと思いますので、ぜひ最後までご一読ください。
目次
『太陽熱』を住宅に取り入れるメリット
1.過去の技術とは言わせない『太陽熱』
最も身近にあるエネルギーと言えば、やはり『太陽熱』。
しかし、この太陽熱。
1970年代に2度にわたって発生した「オイルショック」をきっかけに、1980年ごろには太陽熱温水器は現在の20倍、ソーラーシステムは4倍程度導入されていましたが、近年はあまり市場が伸びていません(グラフ1)。
と、冒頭は太陽熱を利用する“機器”についてのお話です。
しかし、今回のコラムでお伝えしたいのはそもそもの原点であるパッシブデザイン要素の「日射熱利用暖房」についてです。
『勘』や『経験』に頼るところも大きいのではないでしょうか。
例えば、
- 日当たりのいい敷地を選べば
- 南側に大きな窓を設ければ
- 断熱性能が良ければ
などなど。
この『太陽熱』を利用することで、住環境にどんな効果をもたらすのか?ということを定量的な視点で認識するだけで、温熱環境をますます豊かにできることほか、この“当たり前だけど当たり前じゃない“地域工務店”ならではの独自の術(すべ)をお客さまに対して真摯にお伝えできれば、他社との差別化にも大いに繋がるのではないでしょうか。
それでは、ここからは「そもそも日差しがなかったら」についてわかりやすく解説していきたいと思います。
2.そもそも日差しがなかったらを定量的評価(寒い日の室温の比較)
「リビングに差し込む冬の日差しってあたたかくて気持ちいいですよね」
接客の場面でよく聞くフレーズかと思いますが、こちらはあくまで太陽熱の定性的価値を表しています。
では、「そもそも日差しがなかったら」を定量的な視点で評価するとしたら。
極端な一例ですが、この「日差しがなかったら?」。
こちらを事例をもって説明できる工務店さんは決して多くないのではないでしょうか。
ここからは実はあまり知られていない「日差しのありなしで室温がどの程度になるのか」等を弊社がフル活用するシミュレーション「ホームズ君 / 省エネ診断エキスパート・パッシブ設計オプション」を使って解説していきたいと思います。
▼建物条件
- 建設地:静岡県浜松市
- 断熱等性能等級6:UA値0.46
※国土交通省:住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設
太陽熱がほとんどと言っていいほど当たらないこの状態で室温がどのように変化していくのかを時間別に見ていきましょう。
※南、東、西に20mの高さの建物
※太陽熱はほぼあたらない
1月10日
6:00 外気温:0.4℃
12:00 外気温:6.2℃
18:00 外気温:4.6℃
当たり前と言えば当たり前ですが、日差しがなければ、室温が上がるなんてことはありません。
ただし、断熱等性能等級が6(UA値:0.46)のため、低いながらもある程度キープできていることがわかります(10℃未満ですが)。
▼「居間」のみで比較
6:00:8.1℃
12:00:8.8℃
18:00:9.2℃
1月10日 6:00 外気温:0.4℃
1月10日 12:00 外気温:6.2℃
1月10日 18:00 外気温:4.6℃
それではここからが本題です。
この住宅に「太陽熱」という身近なエネルギーを取り入れると前述する寒々しい室温はどのように変化するのか?について解説していきたいと思います。
※周辺に建物なし
※太陽熱が南側、屋根に当たる
▼「居間」のみで比較
太陽熱なし → 太陽熱あり
6:00:8.1℃ → 10.7℃(+2.6℃)
12:00:8.8℃ → 13.4℃(+4.6℃)
18:00:9.2℃ → 13.9℃(+4.7)
昼間や夜間においては5℃近くも室温が上がっていることがわかります。
機器に頼らずとも「太陽熱」を住宅に取り入れるだけで、これほどまでに温熱環境を改善することができます。
そこにあるんだから、使わなきゃもったいない!これが私たちOMソーラーの根幹となる考えです。
1月10日 6:00 外気温:0.4℃
1月10日 12:00 外気温:6.2℃
1月10日 18:00 外気温:4.6℃
もっとわかりやすくするために、外気温が4.6℃だった18:00のみも比較してみました。
1月10日 18:00 外気温:4.6℃
太陽熱なし
太陽熱あり
一目瞭然。劇的に室温が改善できていることがわかります。
だからこそ、家づくりには太陽熱を取り入れられるかが重要で、敷地以外にも窓の計画は大変重要な要素であることが伝わったかと思います。
3.そもそも日差しがなかったらを定量的評価(冬期に室温が18℃以下になる時間の比較)
そして、次にご紹介するのは、室温が時間帯別にどのように分布するかというものです。
噛み砕いてご説明すると、建物全体で何℃の時間帯が多いのか少ないのかを視覚的に表したものとなります。
今回も比較するのは太陽熱がない場合とある場合です。
英国では国民の健康を守る防寒計画として室内の最低温度が「18℃以上」とされておりますが、その18℃を一定のラインとした場合、それらを下回る割合が
- 太陽熱なしの場合:およそ90%(約3,500時間)
- 太陽熱ありの場合:およそ75%(約2,900時間)
と、時間に換算するとその差はおよそ600時間。
つまり、冬期に室温が18℃以下になる時間の比較という観点からも太陽熱を取り入れるかどうかで室温にもたらす影響は大きいことが伺えます。
※参考資料:断熱改修等による居住者の健康への影響調査 概要 – 国土交通省
▼太陽熱なし
▼太陽熱あり
まとめ
『太陽熱』という原点回帰とも言えるテーマについて取り上げた本コラムの前編、いかがでしたでしょうか。
前編では『太陽熱』を住宅に取り入れるメリットとして、太陽熱を定量的な視点で評価してまいりましたが、後編では具体的にどのようにして太陽熱を取り入れるのかという手法について解説してまいります。
ぜひ後編もご一読いただければ幸いでございます。
▶︎ 後編はこちら
「太陽熱」を活用したOMソーラーについてさらに知りたいという方はこちら
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