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全館空調のデメリットは?そのデメリットは解消できるのか?

全館空調を検討する上では、そのデメリットも知っておきたいと考えるものです。

メリットと感じるか、デメリットと感じるかは「期待する効果」と「製品が実現できること」がどれだけ一致するかによります。

そこで今回は全館空調に対する期待や不安、そして課題について解説します。

 

 

目次

そもそも全館空調ってどんなイメージ?

ー全館空調のイメージは「一年中どこも快適」と「導入費・光熱費が高そう」で真っ二つ

ー「全館空調は光熱費が高い」は本当か?

ーイメージではなく、条件を揃えて計算することが大事

全館空調の方がエアコンよりも光熱費は安い!?

ー事実、全館空調の経験者の満足度は高い

全館空調のデメリットは解消可能 省エネと両立する全館空調がこれからのスタンダード

 

そもそも全館空調ってどんなイメージ?


「全館空調」という言葉から、文字通り「建物全体に冷暖房が行き届く空調」ということは容易に理解できると思います。

ただ、オフィスビルや大型ショッピングセンターで建物全体の空調を体験している人は多いと思いますが、「一軒家の全館空調の暮らし」を体験した人は、そこまで多くないのではないでしょうか。

そこで今回は全館空調に対する期待や不安についてのアンケート結果を紹介します。

 

 

全館空調のイメージは「一年中どこも快適」と「導入費・光熱費が高そう」で真っ二つ

ご紹介するアンケートは弊社が2019年に実施した冷暖房に関する調査結果です。

アンケートの対象は弊社製品の利用者に限定せず、インターネットで全国調査した結果です。

 

図1は全館空調に対するイメージです。

メリットとして「一年中、家の中がどこも快適(46.3%)」を挙げる一方で、

デメリットとして「月々の光熱費が高そう(49.5%)」「設備の導入費が高そう(46.8%)」と、

いずれもメリットを上回る回答数であり、

これらのイメージが「全館空調を採用したい理由/したくない理由」になっています。(図2,3)

 

 

図1:全館空調にどのようなイメージをお持ちですか

 

 

図2:全館空調を採用したい人の理由

 

 

図3:全館空調を採用したくない人の理由

 

 

「全館空調を採用したくない」と答えた人の理由で圧倒的に多かったのは「月々の光熱費が高そう」でした。

一部屋よりも二部屋、二部屋よりも全館を冷暖房すれば光熱費が高いと思うのは当たり前かもしれません。

そこで全館空調の光熱費が一般的な壁掛けエアコンと比べてどのくらい違うかを比較しながら解説します。

 

 

「全館空調は光熱費が高い」は本当か?

一般的な壁掛けエアコンと全館空調では快適性が大きく異なるため、光熱費だけでメリット・デメリットを判断するのは難しいところですが、ここではあえて光熱費だけを比較します。

 

イメージではなく、条件を揃えて計算することが大事

光熱費を比較する上で忘れてはいけないのは、エアコンも全館空調も機器の性能だけではなく、建物の断熱性能、間取り、そして設定温度や運転時間といった使い方が光熱費に大きな影響を与えるということです。

冬に窓を閉めていても寒いような家を満足できるだけ暖めようと思ったら、どんなに高性能なエアコンでも光熱費は跳ね上がります。

 

そこでここでは建物の建築地、性能、間取り、設定温度といった条件を同じにした3つの住宅(図4)を比較するシミュレーションを行いました。

Aは標準的な設置状況(エアコン2台)を想定しており、Bは全館空調で得られる室温状態に近づけるために壁掛けエアコンを5台設置しています。

エアコンの能力選定は家電メーカーが表示する畳数を参照しています。

また、A(エアコン2台)では、室内ドアを全開にしてできる限り室温が均等になるような状態で計算しています。

 

 

図4:光熱費計算のためのプランとエアコンの設置状況

A  壁掛けエアコンを1階と2階に1台ずつ設置(青)

B  壁掛けエアコンを5台設置(青+オレンジ)

C  全館空調(土間、浴室以外は、廊下、階段も含む全ての部屋が冷暖房の対象範囲)

 

 

 

全館空調の方がエアコンよりも光熱費は安い!?

シミュレーションの結果では光熱費が安い順にC(全館空調)、A(エアコン2台)、B(エアコン5台)となっています。(図5)

 

図5:エアコンと全館空調の光熱費の比較

 

まずは全館空調と(エアコン5台)の比較です。

光熱費の点で全館空調に大きなメリットがある上、Bでは、エアコンがある部屋と、1階のトイレ、脱衣所、2階の洋室、さらに廊下や階段とで温度差が生じてしまいます。

室内の温度差はヒートショックの原因になるだけでなく、冬は温度差があることで寒い部屋に結露が発生しやすくなります。

また必要な時に慌てて冷暖房を始めても快適さは得られにくく、急速な冷暖房の運転は電気代の上昇にもつながります。

 

次に全館空調とA(エアコン2台)の比較です。

ここでも全館空調の方が光熱費は安くなっています。

全館空調の能力が1台で5.6kWであるのに対し、エアコンは5kWと2.5kWのため、エアコン2台のAの方が光熱費は高くなります。

なお、図4を詳しく読まれた方は気づかれたかもしれませんが、Aのエアコンの設定温度だけ暖房は高く、冷房は低くなっています。

これは室内ドアを開けて他の部屋にも冷暖房の効果を送り出すことを想定しているためです。

しかし、エアコン本体の能力に他の部屋を暖めるだけのパワーがあっても、(図6)のようにドアを開けた程度ではなかなか温度は均一にはなりにくいものです。

 

図6:A(エアコン2台)の冬の朝の室温

 

図1のアンケート結果には「使わない部屋、時間も空調するのはもったいない」と回答される方もいましたが、光熱費はエアコンの台数が増える方が高くなります。

部屋ごとに設置したエアコンの能力を持て余したり、住み始めてから暑さ寒さ、家の中の温度差に耐えきれず後手後手で冷暖房機器を追加することがないよう、空調計画も家づくりの段階から検討しておくこととお勧めします。

 

事実、全館空調の経験者の満足度は高い

光熱費だけの比較はわかりやすいのですが、お金(光熱費、設置費用)と快適性の両方から考えるとなると判断が難しいかもしれません。

そこで、弊社が2019年に実施した冷暖房に関するアンケートの中から全館空調を経験した人の声を紹介します。

 

図7は「全館空調を採用する場合、費用がいくらまでなら設置したいと思いますか」に対する全館空調を採用している人の回答です。

この回答では「設置したくない」は0%で、9割以上の人が100万円以上で設置したいと回答し、さらに3割の人が「価格に関わらず設置したい」と回答していることから、実際の利用者の満足度の高さが伺えます。

 

 

図7:全館空調をいくらまで設置したいと思いますか(全館空調採用者のみの回答)

 

 

全館空調のデメリットは解消可能
省エネと両立する全館空調がこれからのスタンダード

今回は「全館空調のデメリット」をテーマに、全館空調に対するイメージと、その中で特に不安の要素として挙げられている光熱費について解説しました。

光熱費は全館空調システム単体の性能だけではなく、実際に建てる家の建物性能や建築地の気候条件などに影響されます。

今はこれらを総合的に判断するためのシミュレーションソフトが普及しています。

イメージだけで過大な効果を期待したり、反対に過剰な不安で諦めてしまう前に、シミュレーションを元に具体的な検証をして、与えられた条件の中で快適性と省エネを両立させていくのがこれからの家づくりです。

 

 

デザインや間取りなどは住宅会社のスタイルやお客様の好みによってさまざまで、私たちが正解を決めるものではないと思っています。

しかし「省エネと快適の両立」というベースがあってこその「よい家」であると私たちは考えます。

今日、完成する家はおそらく2050年も存在しています。

その家は2050年に新築で建つ家と並んでも、消費するエネルギーの点においても、快適性の点においても恥ずかしくない家を目指す必要があります。

少なくとも冷暖房に高額な電気代がかかったり、ヒートショックや熱中症を心配する家であっては困ります。

 

 

住宅会社様は、ぜひこういったことをお客様に対して丁寧に提案していただきたいと願っています。

私たちは住宅会社様に対する情報提供も行っておりますので、今後、本格的に全館空調に取り組んでいきたいとお考えの際はぜひ弊社セミナーを参考にしてください。

セミナー情報はこちら

 

 

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