全館空調Q&A

よくある質問TOP5

 

はじめに

 
  • はじめに

  • 冬温かく夏涼しい、は家づくりで考えるべき基本性能

     

    私たちは、豊かな温熱環境を最小限のエネルギーで実現する、をビジョンに、それに至るアプローチ方法として全館空調を提案しています。

    私たちが特に着目しているのは、住宅の温熱環境がいかに、個人や家族の健康・快適な暮らしに直接的にかかわりのある大切な事柄であるか、ということです。

     

    一方で、健康・快適な温熱環境の実現は、まだメリットとしての認知度が低く、正しく家づくりの課題としてとらえている人が少ないのが実情です。

    このことから、幸運にも家づくりにおいて全館空調を提案された、あるいはご自身の高いアンテナで全館空調に行き当たった少なからざる方々が、コストを理由に全館空調を断念されます。

    全館空調のメリットも、デメリットも、健康・快適な温熱環境と省エネ性の実現、またその両立という観点から十分に検討されていない、と私たちは感じています。

     

    このページをご覧になっているあなたは、全館空調って何だろう、全館空調はよさそうだが光熱費がかかるのではないか、または全館空調なんて本当に必要なのか、などの質問、疑問をお持ちと思います。

    そのような方のために、私たちがこれまで問われてきた全館空調に対するリアルな質問を出し尽くして、設計や施工、開発、研究を通して培ってきた経験、知見を総動員させて回答します。

    ぜひ、あなたが気になる質問を探してみてください。

     

    最後に、このQ&A集が全館空調の一般的な知識習得に役立つことを切に願っています。

     

  • 全館空調とは

  • 全館空調とは、住まいの“空間温度差”と“時間温度差”を解消する空調のしくみです。

    専用の設備機器を小屋裏などに設置し、住宅全体に冷暖房空気を送り、空調します。

     

     

    ■導入のポイント

    住宅全館を空調対象空間にすることで、”空間温度差”を解消する

    連続して冷暖房運転をすることで、“時間温度差”を解消する

    ダクト式、集中コントロールで、自由プランに対応する

    住宅の“つくり方”とセットで考えて、光熱費を抑える

     


    ■ターゲットとする温度帯

    暖房/21℃(下がっても18℃は切らない)、冷房/27℃

     

  • 全館空調で暮らしにおきること

  • ・モノが少ないシンプルな暮らしが可能になる

    分厚い布団の収納に頭を悩ませたり、各部屋に置く複数の暖房器具の出し入れやON、OFFを気にして過ごしていませんか

     

    ・リラックスした時間が生まれ集中力も高まる

    暑い、寒いを気にして1日に何度も空調をON、OFFしていませんか

     

    ・家が広く使える

    家の中に、暑いから、寒いから使っていない部屋、行きたくない場所はありませんか

     

    ・高い電気代を心配することなく、安心して冷暖房を使うことができる

    非効率な空調設備、使い方で冷暖房の光熱費が高くなり、暑さ寒さをがまんしていませんか

住まいの冷暖房選び

 
  • 1.全館空調とはどんな空調ですか?

  • 全館空調とは、家全体を空調の対象空間にして連続的に冷暖房する方式をいいます。

    この「全館空調方式」(図1)に対し、居室(LDK、寝室、子供室など)にそれぞれ壁掛けエアコンを設置し、部屋を使う時にON、使わない時にOFFする冷暖房方法を「居室間欠冷暖房方式」(図2)といいます。

     

     

    全館空調の目的は、「居室間欠冷暖房方式」の弱点である、空調機器の有無による部屋間の“空間温度差”と、空調運転のON、OFFによる“時間温度差”を解消して、健康で快適な温熱環境を実現することです。

     

    これまでの日本の住宅では「居室間欠冷暖房方式」が広く浸透しており、欧米諸国と比べると全館を適切な温度に維持するために空調を使う意識は低かったといえます。

    部分的に暖を取ろうとする日本と家全体を温める欧米との違いです。その差はヒートショックによる死者数の違いにも表れており早急な改善が必要といわれています。

     

    建物性能の高まりと、住まいの温熱環境と健康の関連性が明らかになってきている今、家づくりにおいてますます全館空調が注目されています。

    全館空調の種類についてはQ12を参照ください。

     

     

    (図1)全館空調方式

     

     

     

    (図2)居室間欠冷暖房方式

  • 2.全館空調を導入するとどんなよいことがありますか?

  • 家全体をいつでも、健康・快適な温熱環境にすることができます。

     

    最近では室温と健康についての研究が進み、住宅の適切な温熱環境がヒートショックや熱中症、その他の疾病の予防になることがわかってきています(Q3参照)。

    特にこどもや高齢者、ペットとの暮らしの中で、室温に敏感な方から「導入してよかった」との声があります。

     

    日常生活において、健康・快適な室温の維持がエアコンのON、OFFという動作をすることなく実現できると様々なストレスが軽減されます。

    このことは「朝の着替えがゆっくりできる」「トイレが涼しい」「エアコンのON、OFFから解放された」などの利用者の声からわかります。

     

    温熱環境は、耐震性やデザイン性などと並ぶ重要な設計項目であり、全館空調により実現する温熱環境は近い将来スタンダードになると私たちは考えています。

  • 3.住まいの暖かさや涼しさは健康にどんな影響があるのでしょうか?

  • 冬の家の中の急激な温度差によるヒートショックの危険性はテレビや新聞などでも取り上げられており、寒い家の居住者における高血圧・糖尿病・脂肪異常症による通院者の割合の高さ、聴こえにくさや骨折経験者の割合の高さなどの報告があります。一方で、暖かい家が健康寿命を延ばすといった報告もあります。

     

    また、夏は熱中症の4割が家の中で起きているというデータもあり、住まいと健康の関係性は、近年特に注目され研究が進んでいる分野です。

    ▶︎住まいの温熱環境と健康に関する記事はこちら

  • 4.トイレや洗面所、キッチンも冬温かく、夏涼しくできますか?

  • トイレ、洗面所、キッチン、廊下や階段も冷暖房の対象とし、空気の流れをデザインして不快な温度差を抑えることができます。

    それが全館空調の主要な目的の一つです。

     

    これに対し、「居室間欠冷暖房方式」ではトイレや洗面所にエアコンを設置することはほとんどありません。

    またリビングにエアコンを設置していても、家具やキッチンカウンターが障壁となって部分的に冷暖房空気が届かない場所が発生してしまいます。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちが提案している全館空調システムは、ダクトや床下空間、小屋裏空間を使い温度ムラが生じないよう丁寧に配置を設計します。

  • 5.初期費用(イニシャルコスト)が高くないですか?

  • 全館空調は各室に壁掛けエアコンを設置する方式と比べて一般的に初期費用(イニシャルコスト)が高額となります(詳しくはQ15参照)。

    ただし、初期費用だけでなく全館空調で得られるメリット(Q2、Q13参照)、ランニングコスト、メンテナンスコストを含め、長期にわたる生活の質(Quality of Life)とコストパフォーマンスから総合的に判断すれば決して高くありません。

     

     

    生活の質という点としては、“脱衣所の温度が2℃高いと健康寿命は4年延びる”という調査結果から、介護費用等の将来発生する費用といったことも考慮する必要があると考えています。

     

     

    なお、私たちが実施した調査では、「費用がいくらまでなら設置したいと考えますか」の質問に対して、導入経験がある人の9割以上が「100万円以上」、さらに3割が「価格にかかわらず設置したい」と回答されていました。

    ▶︎コラム|全館空調のデメリットは?そのデメリットは解消できるのか?

  • 6.光熱費(ランニングコスト)が高くなりませんか?

  • 一般的に冷暖房にかかる光熱費は、冷暖房の対象範囲が広くなるほど、あるいは、運転時間が長くなるほど高くなります。

    全館空調は部分間欠冷暖房に比べ、対象範囲が広く運転時間が長くなりますので光熱費は高くなる傾向になります。

    一方で、全館を対象にした連続冷暖房を前提とした場合は、各部屋を壁掛けエアコン複数台で冷暖房するとそれぞれの機器が個別運転するため運転効率が悪く、「全館空調方式」よりも光熱費が高くなります。

    同じ温熱環境を得るためには、「全館空調方式」のほうが光熱費を抑えられます。(Q16参照

     

     

    なお、建物性能の向上、パッシブデザインの採用、効率的な機器選定により光熱費を抑えることができます。(Q52参照

     

    設計段階でその効果や光熱費を予測、検討しておきましょう。それらの検討ができる住宅会社に家づくりを依頼することをおすすめします。

  • 7.各部屋に壁掛けエアコンを設置して冷暖房するほうがよいと思うのですが。

  • 各部屋に壁掛けエアコンを設置する方法は一般的に広く浸透しており、そのような中で住宅の冷暖房の常識、思い込みのようなものが形づくられてきたと私たちは考えます。

     

    壁掛けエアコンによる冷暖房の特徴としては、

    ・部屋を使う時にON、使わない時にOFFすることで運転時間を短縮し省エネ(光熱費の節約)を図る

    ・設備が安価である

    ・家族の好みの温度の違いに対応できる

    ・「もったいない」という意識にうまく適応(全館空調は贅沢だと思う)

    があり普及が進んできました。

     

    しかしながらこのような背景から日本の多くの住宅の温熱環境は、

    ・冷暖房している部屋、していない部屋による大きな空間温度差

    ・運転時間が短いことによる大きな時間温度差

    が発生し、住環境の顕在的・潜在的な不満につながっています。

     

    これらは、壁掛けエアコンの個室完結型空調の特性と安易な設置が引き起こす課題であり、壁掛けエアコンは空調的にみれば、かなりいい加減に設置しているともいえます。

     

    私たちは温熱環境をよりよいものとするために、住宅を設計する際に間取りやデザイン、耐震の検討と同じく冷暖房の計画を行うことが重要と考えています。

  • 8.使っていない部屋まで冷暖房するのはもったいないと思います。

  • 全館空調を検討の際にこのように考える方は少なくありませんが、一例として全館空調を採用された方の声をご紹介します。

     

    「毎日の暮らしの中では家の中をあちこち移動します。これまでは移動するたびに不快を感じることがありましたが今はなくなり、移動がとても楽になりました。」

     

    このことは快適な家の条件の一つであり、充分な建物性能としっかりした空調計画を行えば光熱費を抑えることができます。

     

    逆に、家の中で暑い部屋や寒い部屋があると、温度差を感じるだけでなく冷暖房の効率が悪くなったり希望温度に達するまで負荷がかかり、かえって消費電力が増える場合があります。

     

    なお、長期間使用しない部屋や使用頻度の少ない部屋がある場合は、その部屋やゾーンを個別制御できるか計画段階で検討しておきます。

    製品によっては対応できるもの、できないものがありますので事前に確認してください。

  • 9.エアコンの風が苦手なのですが。

  • エアコンの風が苦手の実態としては、

    ・大きな部屋に対し壁掛けエアコン1台で1か所から大風量で部屋全体を冷暖房⇒エアコンの風を感じやすい。

    ・断熱性能が十分でない、もしくは運転のON、OFFにより「強」運転でないと温まらない(冷えない)⇒エアコンの風が身体にあたり不快に感じる。

    ・エアコン設置場所が悪く連続的に温風冷風が身体にあたる⇒「強」運転でなくとも不快に感じる。

    ・強い風により埃が舞い上がる。

    などが考えられます。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちが提案する全館空調は、吹出口を分散して配置することで、それぞれの吹出口からの風量を抑えたり、家具やベッドの配置を考慮した吹出口の配置計画を行うなど、住宅プランと冷暖房計画を一体で考え、直接的な温風冷風を感じにくくして快適性を高めています。

  • 10.できるだけ空調に頼らない暮らしをしたいのですが。

  • 全館空調といっても365日つけておく必要はありません。

    冷暖房がいらない季節は停止してもよいですし、空調だけに頼るのではなく、冬は窓から太陽の日差しを取り入れたり、夏は窓からの日射を遮るなどの工夫で空調に頼らない自然エネルギー活用を合わせて考えることも大切です。

     

     

    しかしながら、地球温暖化の影響を受けて日本の気候もひと昔前とは様変わりしてきています。

    花粉やPM2.5といった有害物質の飛来も増え自由に窓を開けられないこともあります。

    地域にもよりますが夏は日中のみならず夜間も高温になることが多く、冷房が必須とされる時間・期間共に長くなっており、熱中症は家の中で最も発生しています。

    また、冬の室温に関してはWHO(世界保健機構)は健康の観点から室温18℃以上を強く勧告しています。

     

    これらのことからも、家づくりを考える上で、適切な冷暖房方式を整えておくことはとても大切なことです。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    設計の段階で積極的に自然エネルギーを活用、調節する設計手法(パッシブデザイン)を取り入れると効果的で、私たちも推奨する暮らしです。

     

    パッシブデザインについてこちらのコラムでより詳しく解説しております。

    ▶︎コラム|全館空調にこそパッシブデザインは不可欠!

  • 11.実際に体感してみないとわからないです。

  • 色々な全館空調システムを体感いただくことをおすすめします。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調であれば、全国の住宅会社が建てた家の体感見学会やモデルハウスの宿泊体験ができる先もありますので、ご相談ください。

    ▶︎モデルハウス・見学会

     

    また、住まい手の感想を聞いたり、シミュレーションや実測データでイメージをもってもらうことも大切です。

    弊社のホームページでも住まい手の方のインタビューをご紹介しております。

    ▶︎OMソーラーの家

全館空調選び

 
  • 12.全館空調には色々あるようですがどのような種類がありますか?

  • 全館空調は公的な定義がなく、住宅会社やハウスメーカー、設備メーカーが独自に考え出したさまざまなシステムやしくみがあります。

    また壁掛けエアコンを使って全館空調としている住宅会社もあります。

    全館空調と呼んだり、呼ばれたりするものを含めて分類すると以下の5つに集約されます。

     

     

     

    それぞれ特徴、メリット・デメリットがあり、これらの短所を補うための工夫や、複数の方法を組み合わせ効果を高めることもあります。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちは①専用機を用いた集中コントロール型ダクト方式が本来の全館空調システムと考えています。

    その理由はQ13を参照ください。

  • 13.①専用機を用いた集中コントロール型ダクト方式(全館空調システム)のメリット、デメリットを教えてください。

  • メリットは、

    ・間取りの制約が少ない

    ・部屋間、部屋内の温度ムラを極小まで軽減できる

    ・気流感が少ない

    ・集中温度制御により適切な運転管理ができる

    ・各システム毎に保証体制がある

    があります。

     

    一方、デメリットは、

    ・初期費用(イニシャルコスト)がかかる

    ・専用機の設置スペースが必要(Q27参照

    が挙げられます。

  • 14.②③④⑤の壁掛けエアコンを使用する場合のメリット、デメリットを教えてください。

  • メリットは、

    ・市販の壁掛けエアコンを使用するため比較的安価であること

    があります。

     

    一方、デメリットは、

    ・間取りの制約が多い(そもそも開放的な一体空間を目指す必要がある)

    ・壁掛けエアコンは室内の空気を穏やかに撹拌することに適したファンを採用しており、製品の特性上、送風能力に限界があるため、建物の構造物や間取り、個室の扉の影響を受けて温度ムラが生じやすい(開放的な一体空間としてもなお発生する)

    ・壁掛けエアコン内蔵の室温センサーで運転コントロールしても、冷暖房する空間と異なるため適切な温度にすることが難しい

    ・特に床下エアコンにおいてはエアコンメーカーの規定する設置方法から逸脱した場合は、保証かつ故障の修理を受けられない

    したがって採用には大きなリスクが伴います。

    実際に、床下エアコンが建築に与えるカビなどの深刻な事例や、通常以上に電気代がかかる事例も多数発生しています。

  • 15.専用機による全館空調システム(①)は初期費用(イニシャルコスト)が高くないですか。

  • ①は②③④⑤に比べて、各部屋に冷暖房空気を送るための専用機やダクト、集中コントロール制御の機能により、初期費用(機器+工事費)は高額になります。

    しかしながら得られる効果(Q2、Q3参照)および確実性を考えればコストパフォーマンスは十分に高いといえます。

     

    なお、初期費用を抑えるポイントは以下が挙げられます。

     

    早い段階で住宅計画に組み込むことで適切な設備計画を行う。

    住宅計画に見合った適切なダクト計画により、送風ダクトを無理のない計画とすることができます。

    材料費や施工費を抑えられるだけでなく、機器の省エネ運転にもつながります。

     

    ・住宅の断熱性能や設計に見合った適切な能力(容量)の機器を選ぶ

    必要以上に大きな能力の機器を選定すると高額になるだけでなく、運転効率が悪くランニングコストにも影響があります。

     

     

    計画の初期段階からシステム設計の知識のある住宅会社に依頼することとおすすめします。

  • 16.専用機による全館空調システム(①)は電気代が高くないですか。

  • 一般的に冷暖房の光熱費は、対象範囲が広くなるほど、あるいは運転時間が長くなるほど高くなりますが、以下の手法により電気代を抑えることが可能です。

     

    ・建物性能を高める(断熱・気密)

    ・冬の日射取得、夏の日射遮蔽など、パッシブデザインを取り入れる(Q10参照

    ・効率の高い機器(全館空調システム)を選ぶ

     

    「断熱性能等級4で部分間欠暖房」と「断熱性能等級5で全館空調」をシミュレーション比較すると、「断熱性能等級5で全館空調」の方が、洗面所の室温が18℃を下回らず、かつランニングコストを抑えられることがわかります。

     

    このように 建物性能の向上と効率的な全館空調システムを選ぶことによって全館空調でも電力使用量が抑えられます。

     

    あわせて電気代が高騰する中では、太陽光発電や蓄電池の導入も光熱費抑制に有効です。 

     

     

  • 17.壁掛けエアコンで全館空調的なしくみ(②③④⑤)の電気代はどうですか。

  • 電気代を決める要素には様々なものがあり一概にはいえませんが、家全体を対象に連続的に冷暖房を行えば、②③④⑤も①も同等の電気代がかかると考えられます。

     

    単純に電気代を比べるのではなく、

     

    ・各部屋が希望する温度になっているか

    ・空気流れが妨げられず温度差が生じないか

    ・間取りに制約がないか

    ・どのように機器能力を選定しているのか

    ・エアコンの設定温度や使用方法に無理がないか

     

    などをあわせて考慮することがとても大切です。

  • 18.部屋ごとに冷暖房をON、OFFしたり、設定温度を変えることはできますか。

  • 部屋ごとのON、OFFや設定温度の変更方法は全館空調システムにより異なりますので個別にご確認ください。

    全館空調システムによっては各部屋ごとにON、OFFできる高性能な制御方式のものありますが、一般的に制御系統が増えてかなり高価となります。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちのシステムの基本的な考え方は、家全体の温熱環境を温度差のない安定した温度帯にすることを主目的とし、大きく3つの系統(床下含む)ごとの温度と風量制御を可能としています。

  • 19.家族間で設定温度の好みに違いがある場合に対応できますか。

  • 全館空調は家全体の時間温度差、空間温度差を少なくすることを主目的としており、家全体を安定した温度帯にすることができます。

    家にはいろいろな用途の部屋があり頻繁に移動して暮らすことや、家族が一緒に過ごす部屋もありますので、個室ごとの温度設定はあまり意味をなさないと考えます。

     

    全館空調は、壁・床・天井の温度が室温に近づくため体感的に快適に感じられやすく、従来の壁掛けエアコンの室温設定に頼る方式とは異なります。実際に住んでいる方からは「家族で温度設定でもめることがなくなった」「全室が一定の温度帯でストレスを感じない」といった声が多く聞かれます。

     

    その上で個別調整が必要な際は、着衣量や扇風機等で調整するのが快適かつ省エネに過ごすコツです。

     

    なお、極端に温度の好みが異なる場合や特定の温度に設定したい部屋がある場合は、あらかじめ住宅会社に相談し、全館空調の対象から外して個別に冷暖房するのも一つの選択肢です。

  • 20.壁掛けエアコンで全館空調することはできますか。

  • 壁掛けエアコンで全館空調を行う場合のメリット、デメリットについてはQ12、Q14を参照ください。

  • 21.建物性能を高くすれば壁掛けエアコン1台で冷暖房できますか。

  • 家全体を壁掛けエアコンで隅々まで冷暖房空気を送り届けるには、間仕切り壁やドアが障壁となるためプランニングによほど注意しなければなりません。

    建物性能(断熱等)を高めていくと冷暖房に必要なエネルギー量は壁掛けエアコン1台で賄える計算になることがありますが、温度ムラはどうしても生じやすくなりますので温度差の程度は確認が必要です。

     

    通常の住宅にはオープンな空間の他に、個室、水廻りの閉鎖的な空間が存在します。

    家全体がオープンな1室空間とはいかない中で、1台の壁掛けエアコンで隅々まで温度ムラを少なくすることは難しいといえます。

  • 22.床暖房と全館空調の併用はできますか。

  • 可能です。

    ただし床暖房システムと全館空調システムをそれぞれ採用すると導入費用、電気代ともに二重にかかることになります。

     

    全館空調システムによっては床下に暖気を送風しながら家全体を温める方式があります。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちが提案する全館空調システムは、暖気を床下と天井の両方から送風することで、トイレ、洗面所、キッチンなどの小さな部屋も床全体から温めることができるため体感効果の高い暖房方式です。

     

    床下に暖気をおくる全館空調

    床下に暖気をおくる全館空調

  • 23.薪ストーブと全館空調の併用はできますか。

  • 可能です。

    薪ストーブは暖房だけでなく、生活をより豊かにするアイテムでもあり併用するケースも少なくありません。

     

    全館空調では、循環運転により薪ストーブで温められた空気を薪ストーブの効果が及ばない部屋まで送り届けることができ、家全体の暖房効果を高めることができます。

    設置にあたっては薪ストーブの燃焼空気の流入経路をあわせて考える必要がありますので、換気計画については住宅会社にご相談ください。

全館空調と家の設計

 
  • 24.全館空調を導入する際の建物性能はどのように考えたらよいですか。

  • 全館空調を導入するのであれば高い建物性能が必須です。

    低い建物性能では効きが悪くかつ電気を多く消費することになります。

    最低でも断熱性能等級5相当以上(できれば等級6相当)の断熱性能、気密性能はC値=1.0㎠/㎡以下とします。

    ただ、高い建物性能とは断熱性能のみならず、気密性能、日射の取得や遮蔽、また計画通り施工する能力を揃える必要があり、いずれも全館空調にとっては極めて重要です。

    施工会社が気密測定をしているか、日射取得や遮蔽に配慮した設計をしているかも確認のポイントとして挙げられます。

  • 25.全館空調に適した間取りがあれば教えてください。

  • 専用機を用いた集中コントロール型ダクト方式は、各部屋に必要な暖気冷気を適切に送り届けられるので、間取りの制約が少なく比較的自由なプランに対応できます。

     

    大切なのは全館空調は、空気を家全体に循環させながら冷暖房する方式のための循環経路を確保することです。

    部屋間の空気循環はらんまやガラリを用いますが、オープンな間取りはより空気循環がしやすくなります。

  • 26.どんな家でも導入できますか。

  • 選択する全館空調システムによって建物の条件が変わるため予め確認が必要です。

    一般的には全館空調は住宅会社が建物とあわせて提案しますので、システムにあった工法(屋根断熱か天井断熱、床断熱か基礎断熱)を予め確認しておくことや、機器やダクトスペースを確保する必要があります。(Q27参照

  • 27.専用機は場所をとりませんか。

  • 専用機を用いる全館空調は、家全体に空気を送るファンや、径の大きな吹出口がついているため機器本体は比較的大きなものになり相当の設置場所が必要です。

    設置場所は全館空調システムにより異なりますが、大きく分けて居住階に設けるタイプと、小屋裏などの非居住空間に設けるタイプがあります。

    いずれもダクトを使って空気を送りますのでダクトが天井や基礎、壁の中に設置されます。

     

    これによって機器、本体やダクトは生活する空間では見えないよう工夫され、壁掛けエアコンのように各部屋に本体機器が露出しないのでインテリアがすっきりして、メンテナンスも一か所で済むといったメリットがあります。

  • 28.開放的な間取りなのでルームエアコンで充分と思うのですが。

  • 温度ムラが解消できるかどうかが判断の基準となります。

     

    開放的な間取りであっても、家具やキッチンカウンターなどちょっとした物が障壁となってその先に暖気、冷気が行き届きにくく、部屋内でも温度差が生じることがあります。

     

    専用機を用いたダクト式全館空調システムは、必要なところに暖気、冷気を送り届けることができるのがメリットです。

  • 29.どのくらいの面積まで1台で計画できますか。

  • 選択する全館空調システムによってそれぞれに設定されています。

    家の大きさや面積だけでなく、建築地の気象、建物断熱性能や間取り、希望する室温により対象空間は大きくも小さくもなりますので住宅会社とよく相談してください。

機器やシステム

 
  • 30.全館空調はどのような機器が取り付けられるのでしょうか。

  • 一般的に全館空調では室内にエアコンのような機器の設置は不要で、室内には吹き出し口が設置されるだけです。

    機器は小屋裏や床下などに設置され、天井や壁の中に送風用のダクトを通す方法などがありますが、選択する全館空調システムによってしくみや特徴、機器が異なりますので、各メーカー、システム毎にご確認ください。

  • 31.どのようなしくみで冷暖房しますか。

  • 従来の壁掛けエアコンは室内に機器を設置しますが、全館空調は専用機からダクトを通して冷暖房空気を各室に送るしくみです。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちが提案する全館空調システムをご紹介します。

    ▶︎「OMX」はこちら

    ▶︎「パッシブエアコン」はこちら

  • 32.ダクト内が汚れませんか。

  • ダクト内の汚れは、冷房時の冷風が室温に接触した際に、ダクト内に結露が発生して、そこに様々なほこりが付着することで生じることがあります。

     

    その対策として、ダクト内へのほこりの侵入を防止するためにフィルターを設けており、洋服などの繊維くずなどの比較的大きなほこりは除去していますが、微細なほこりはフィルターでは取り切れずダクト内に侵入することがあります。

    これらはもともと室内の壁や床、天井に付着しているもので問題となるレベルではないのですが、ダクト内に集中すると比較的目につきやすくなることがあります。

    特に室内機の近くのダクトは汚れが付着しやすい傾向にあるため、将来的に点検や交換ができる対応を考えておくとより安心です。

     

    なお、換気機能をもった全館空調システムの場合は、外気を取り込むダクトルートは砂ぼこりなどで汚れやすく定期的なフィルター清掃を行うことが必要です。

    外気導入口、室内循環口ともに、どこにどのようなフィルターが設置されているか、清掃の仕方や頻度などをあらかじめご確認ください。

    大きな道路に面しているなど外気が比較的汚れることが想定される場合はほこりの付着を抑えるフィルム構造の素材のダクトを選ぶことも有効です。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムでは、冷房終了時に一定時間、ダクト内部を乾燥させる乾燥運転を行い、結露の発生とほこりの付着を抑えています。

    また、全館空調と空気清浄機を組み合わせることで、微細なほこりも空気清浄機がキャッチすることができ、ダクトの汚れの対策としても有効です。

    空気清浄機についてはQ39をご参照ください。

  • 33.ダクトの結露が心配です。

  • ダクトの内側と外側のそれぞれで結露が起こる可能性があります。

    ダクト内側の結露は冷房時に起こる可能性があり、汚れの付着の原因となりますので注意が必要です(汚れの対策はQ32参照)。

    対策方法についてはシステム毎に確認してください。

     

    ダクト外側の結露については、主にダクトを覆っているシートの破れや剥がれ、ダクト接続部の外れやダクト同士が接触しているなどの施工ミスが原因で起こります。

    確実な施工、点検により防ぐことができます。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの提案するシステムは、冷房運転終了時に一定時間乾燥運転を行い、ダクト内部の結露の発生を防ぐ機能があります。

  • 34.運転音が気になりませんか。

  • 部屋の壁に設置して直接送風する壁掛けエアコンに対し、機械室に室内機を設置して消音効果のあるダクトで送風する全館空調は運転音が届きにくい構造といえます。

    ただし、寝室の上には機器を設置しないなどのプランニング上の配慮が必要です。

     

    室外機の音については、深夜から朝方にかけて運転することも想定し、近隣への配慮や寝室近くに設置しないなどの対策を考えます。

     

    音の感じ方には個人差があります。

    騒音レベルや振動音対策がされているかあらかじめ確認しておきましょう。

  • 35.全館空調は冬の室内が乾燥しませんか。

  • 一般的に全館空調を含めエアコンは冬の暖房時は乾燥しやすくなります。

    石油ストーブやガスファンヒーターは暖房時に水蒸気を発生させるため湿度を上げますが、全館空調や壁掛けエアコンなど燃焼を伴わないヒートポンプ方式は冬の乾燥した空気を温めるためどうしても乾燥しやすくなります。

    湿度調節については、Q36を参照してください。

  • 36.湿度の調節はできますか。

  • 冷房時は除湿されるため問題ありませんが暖房時は乾燥しやすくなります。

    なお、加湿の対策は全館一律に管理することは適しません。

    加湿された空気が床下や壁の内部など、見えない部分で冷えた空気に接触して結露を発生させ、カビなどの原因になるからです。

    加湿は各部屋毎必要に応じて加湿器の使用などして調整することをおすすめします。

     

  • 37.全館空調に換気機能はありますか。

  • 一般的のエアコンには換気機能はないのと同様に、全館空調も換気機能は一体化されていないシステムがほとんどで、換気機器を別途設けます。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムでは、パッシブエアコンは換気機能はありませんが、全熱交換換気を組み合わせて両者を生かすシステムをご提案することができます。

    ▶︎詳細はこちら

     

    OMXは冷暖房に加え、全熱交換換気、太陽熱利用暖房、太陽光発電、給湯機能を一体化したオールインワンシステムです。

    ▶︎詳細はこちら

  • 38.換気はどのようなものが適していますか。

  • 室内空気の温度・湿度に近づけながら換気ができる第一種全熱交換換気が適しています。

    換気の際に発生する熱ロスを抑え省エネルギー効果が得られるのとあわせて調湿効果も期待できます。

    全館空調システムと別途計画するもの、組み込まれているものがありますのでそのシステムにあった手法をご検討ください。(Q37参照

     

    高性能な住宅に全館空調システムを採用するにあたり、少ないエネルギーで快適に暮らすには換気方法の選択はきわめて重要で、空調計画とあわせた換気方法を考える必要があります。

    また、エアコンの種別に関わらず高性能な住宅には熱ロスが生じる第三種換気ではなく第一種熱交換換気方式をおすすめします。

  • 39.全館空調に空気清浄機能はありますか。

  • PM2.5 やコロナウィルス対策により、高価格帯のエアコンには付加機能として空気清浄機能がつけられるものが増えてきており、全館空調も同様です。

    全館空調システムは家全体に冷暖房空気を循循させるしくみのため、その経路に空気清浄機能を設置することで、効率よく家全体の空気を清浄できます。

    ただしほとんどがフィルター式で目詰まりや頻繁なフィルター交換が発生することがありますので、フィルターの種類、交換方法や頻度などをあらかじめご確認ください。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムは、室内ユニットに専用の高性能空気清浄機(OM e FILTER)をセットすることができます。

    ▶︎OM e FILTERについてはこちら

メンテナンスや故障

 
  • 40.お手入れはどんなことが必要ですか。

  • 通常のエアコンと同様にフィルターの清掃が主なお手入れとなります。

    専用機による全館空調の場合、これまでの各部屋に壁掛けエアコンを設置している場合に比べて1か所のお手入れで済むため、「手間がかからない」「時間が短縮できる」「お掃除が楽」という声が聞かれます。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムでは、住まい手自身が簡単にできるフィルターの清掃と、ドレン配管にあるドレン用トラップの清掃が主なお手入れ箇所です。

     

    フィルターは室内ユニットと、天井や壁に設置した吸込口に装着しており3ヶ月(季節の変わり目)を目安にお掃除します。

    設計の段階では清掃ができる場所に計画されているか確認します。

    ドレン用トラップは屋外に設置されており半年ごとに清掃します。

     

    お手入れ方法をユーザーサイト(OM class)にて一般にも公開しております。

    ▶︎ユーザーサイト(OM class)はこちら

     

  • 41.システムの寿命はどのくらいですか。

  • 一般的に設備機器の設計耐用年数としては10年といわれています。

    一般の壁掛けエアコンとそれほど変わりませんが、むしろ全館空調は電源のON、OFFの回数が一般的な壁掛けエアコンよりも少ないため故障リスクが低減されます。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムの設計上の標準使用期間は10年です。

  • 42.部材保証は何年ですか。

  • 部材保証は各メーカーにより異なります。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちが提供するシステムの部材保証期間は、機器本体1年、冷却装置(熱交換ユニット)5年ですが、10年延長保証をお申込みいただくことですべての部材に対し10年の部材保証を受けることができます。

  • 43.故障したときの修理が高額になりませんか。

  • 機器全体を交換しなければならないか、部品ごとの交換が可能かによって、費用は大きく異なります。

    壁掛けエアコンは機器交換が一般的です。

    全館空調は機器ごと交換が必要なものと部品交換で対応するものがあります。

    機器を丸ごとではなく部品交換による修理対応することで、より長く使用することができます。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムは部品ごとの交換が可能です。

    基盤、サーミスタ、送風ファンなど部品ごと交換部材の価格が設定されており、工事費を含めて少額(数万円)から修理ができます。

  • 44.全館空調が故障したときに家全体の冷暖房が停止しないか不安です。

  • 故障時は冷暖房が停止することを踏まえて、機器故障の際のメーカー対応(日数、修理可能か)や、定期的なメンテナンスをどのように行うか確認しておくことが必要です。

     

    ヒートポンプ機器は安定した技術で故障しにくいしくみです。

    不具合事例としては熱媒体のガス漏れ等がありますが、定期的にメンテナンスを行うことで不具合を未然に防ぐことができます。

    故障時の備えとして一室に予備用にルームエアコンを設置する対策をしている例もあります。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムの場合は、故障発生時間にもよりますが、連絡を頂いてから当日または翌日には第一報、状況確認及び復旧を早急に行うよう努めています。

    症状によって修理対応が異なりますので都度施工会社にご確認ください。

  • 45.停電時はどうしたらよいですか。

  • 停電時は全館空調が停止します。冷暖房ができなくなりますので、ご心配な方は冬はストーブなどの暖房機器、夏は日射を遮るすだれやシェードなどの備えがあると安心です。

    なお、太陽光発電+蓄電池を装備することで一定期間、全館空調を使用することができます。

    停電が復旧した際の対処については全館空調システムにより異なるためあらかじめご確認ください。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムは、停電復旧後は自動的に再稼働するしくみとなっております。

    ただし停電の長さによっては時刻設定、タイマー設定が消えることがありますので設定内容をご確認いただけますようお願いします。

  • 46.これまでにトラブルが発生した事例がありましたら教えてください。

  • これまでのトラブル事例から、解決方法や注意すべきことを確認しておくことは大切です。

    全館空調システム毎に異なりますので各メーカー、施工会社にご確認ください。

     

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムで発生したトラブルを3点ご紹介します。

     

    ①電気代が高い

    <解説>

    冷暖房設定温度をこれまでの壁掛けエアコンと同じ感覚で設定すると、消費電力が上がりやすい傾向があります。

    全館空調は連続運転により床・壁・天井の表面温度が安定し、輻射効果により快適に過ごしやすくなるため、室温設定を控えめにすることをおすすめしています。

    また、新築時は、これまでのお住まいの環境(冷暖房する対象面積や建物性能)との違いから、消費電力に差が発生する場合もあります。

     

    なお、現在は電気の単価の上昇や「再エネ賦課金」「燃料調整費」の変動も大きいため、請求される電気代の金額も高くなっていますので、まずは実際の電力使用量をご確認いただいています。

     

     

    ②特定の部屋が効きにくい

    <解説>

    全館空調として、対象範囲に適正に空気が流れるように事前に計画は行いますが、日射等の外的環境やご利用方法により、特定の部屋の効果が弱いと感じる場合があります。

    その場合は、吹き出し口の内部にある開口ダンパーを調整し、風量バランスを替えることで、吹き出す冷暖房の空気量を変更することができます。

     

     

    ③室外機の音が気になる

    <解説>

    室外機の音が気になるという問題がありますが、これは設定温度と室温に乖離が大きくなると、室外機がフル稼働し、その際の音が気になるという現象です。

    周辺環境を考慮して音の影響が少ない位置に室外機を設置したり、設定温度を緩やかな設定にすることで音を軽減できます。

使い方や工夫

 
  • 47.24時間365日ONにするのですか。

  • 冷暖房が必要な時期は連続運転が基本ですが、連続運転中も設定室温に対して自動で冷暖房が運転・停止しますので過剰に運転することはありません。

    また、一定温度の連続運転では急激な温度変動がないため省エネ運転になります。

    数時間ごとや1日おきなどの断続的な運転はかえって非効率になることがあります。

     

    ■私たちの全館空調は?

    気持ちのよい季節は全館空調を停止して、窓を開けるのも開放的な暮らし方のひとつですが、春や秋はPM2.5や花粉などの飛来物が多い季節です。私たちの全館空調システムでは空気清浄機能を追加して1年を通しての運転をおすすめしています。

  • 48.外出時の運転はどうしたらよいですか。

  • 短い時間の外出でしたら基本は運転したままでかまいません。

    帰宅時に暖かさ、涼しさが感じられることは、全館空調の大きなメリットの一つです。

    それでも電気代が気になる方は外出時は温度設定を控えめにする方法があります。

    なお、長期間不在にする場合は、日数、気候、建物性能により個別に判断が必要となります。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムはボタン1つで控え目運転にできる「おでかけキープ運転」やタイマー機能で時間により温度を設定することができます。

  • 49.においが部屋から部屋へ回ってしまうのではないか心配です。

  • 一般的に日常の生活において支障をきたすことは少ないと考えられます。

     

    トイレやキッチンなどのにおいの発生源となる空気は直接排気するなど、換気計画により空気の動きをコントロールします。

    それでも家全体の空気を循環させるしくみのため、炊事や食卓の空気がまわることがありますが、においが発生する部屋の窓を開けたり局所換気を行うことでにおいを抑制できます。

    それでも気になる場合は一時的に空気循環を停止するなど使い方を工夫してみてください。

  • 50.家全体にウイルスがまわらないか心配です。

  • ウイルスの除去は換気によって行います。

    感染症患者がいる場合は特定の部屋で過ごし、適切な量の換気を行います。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちの全館空調システムは、高性能な電子集塵式空気清浄フィルターを設置することができます。

    医療機関でも使用されており、99%以上の浮遊ウイルスを除去できる、高性能かつ省電力、目詰まりによる風量低下が少ないなどの特徴があります。

    ▶︎電子集塵式空気清浄フィルター|OM e FILTER

  • 51.PM2.5や花粉の流入はありませんか。

  • 換気機能を持った全館空調の場合はフィルターでどこまで除去できるかご確認ください。

    換気機能がないシステムの場合は、別途換気システムの構成の確認が必要です。

    PM2.5や花粉は、人の出入り、窓開け、外に干した洗濯物等から入ってくるのものも多くありますので普段の生活において入らない工夫が大切です。

    入ってしまったものは、全館空調の空気循環に空気清浄機を組み込んで除去できるシステムがあります。

     

    ■私たちの全館空調は?

    私たちがご提案する全館空調システムはPM2.5や花粉を除去できる空気清浄機を組み込むことができます。

    ▶︎電子集塵式空気清浄フィルター|OM e FILTER

  • 52.全館空調の光熱費を抑えるよい方法はありますか。

  • 室内の温熱環境は建物性能が高いほど、床・壁・天井の表面温度が室温に近づきます。

    室温が冬は低め、夏は高めでも快適に感じられやすいため、設定温度を控えめにすることをおすすめします。

    例えば日中の設定温度を冬は20℃、夏は27℃にして温度設定を抑えたり、夜寝る前の温度設定を2~3℃程度抑えるなどして省エネ運転を行う方法があります。

     

    また、太陽の日差しを夏はしっかり遮る(すだれやシェードなどの活用)、冬はカーテンを開けてしっかり取り入れることを積極的に行うことをおすすめします。

     

    なお、前提として、設計の段階で建物性能+パッシブ手法を考えておくことはとても大切なことです。(Q10、Q24参照

    あわせて太陽光発電を設置すれば電気代を大幅に削減することができます。

環境への影響

 
  • 53.全館空調は地球環境に悪い影響をもたらさないでしょうか。

  • 生活の質(Qualty of Life)を高めながら環境負荷を低減する手法は近年研究が進み両立が可能となってきており、全館空調が地球環境に悪い影響をもたらすとは考えていません。

    むしろ、個人の健康に資することや建物の工夫によりエネルギーを削減することにより、持続可能な開発目標SDGsの「3.すべての人に健康と福祉を」「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「11.住み続けられるまちづくりを」に貢献すると考えています。

    我々は、自然エネルギー利用とヒートポンプ技術により高次元で省エネルギーが達成できるよう、より快適でより省エネルギーな住まいの実現を研究していきます。

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