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高気密、高断熱の家に全館空調まで載せるのはオーバースペックなのか?

 

 

お世話になっております!OMソーラー・マーケティング部のかつのです!
現在の高気密高断熱の家であれば、エアコンは2台で十分!最近はそんな声をよく耳にしますが、
はたして本当にそれで十分なのか?お客さまは満足しているのか?暑さ寒さを我慢させてしまっているのではないのか?をこちらのコラムでは具体的なシミュレーション結果を比較して解説していきたいと思います。

※2階建ての場合

 

 

目次

 

 

 

 

 

 

高気密、高断熱の家に全館空調まで載せるのはオーバースペックなのか?

1)高性能住宅でも全館空調は必要。

他のコラムでもご紹介しているように私たちの強みは1棟1棟行うシミュレーションです。どの程度の室温になるのか?どの程度のエネルギーを消費するのかなど。そして、今回のこのコラムでもその強みであるシミュレーションを駆使してその結果より解説していきたいと思います。

 

▼比較条件
プラン1
・全館空調
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G2(UA値:0.46)

 

プラン2
・壁掛けエアコン ※1階:居間(リビング)、2階:寝室、子供室×2
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G2(UA値:0.46)

 

上記の比較条件をもとに冬の室温状況を見ていきましょう。
まずは、プラン1(全館空調)。日時と外気温のパターンは次のとおりです。

 

1月10日
・6:00 外気温:0.4℃
・12:00 外気温:6.2℃
・18:00 外気温:4.6℃

 

1月10日 6:00 外気温:0.4℃

1月10日 12:00 外気温:6.2℃

1月10日 18:00 外気温:4.6℃

 

 

朝、昼、晩からなる画像からもわかるように各居室間ほか廊下、脱衣室、洗面室の温度差は限りなく少なく、1日を通して見ても昼や夜はもちろん、起床する明け方も20℃程度になっていることがわかります。

以下のように断面で確認すると、足元付近と天井付近も温度差が少ないことがわかります。これが弊社の全館空調の特徴です。

(話がそれるためこちらでは割愛いたしますが、日射がどの程度リビングや他の居室に影響するのかなどもシミュレーションでは詳細に把握することができます。)

 

 

1月10日 6:00 外気温:0.4℃

1月10日 12:00 外気温:6.2℃

1月10日 18:00 外気温:4.6℃

 

 

一方、プラン2の壁掛けエアコンはどうでしょうか。改めて、プラン2の条件は次のとおりです。

 

プラン2
・壁掛けエアコン ※1階:居間(リビング)、2階:寝室、子供室×2
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G2(UA値:0.46)

 

なお、プラン2では次の表のとおり一般的な使い方を想定した暖房の稼働時間も設定しておりますので、より詳細に室温がどうなるのかを把握することができます。一般的なエアコンでは「間欠運転」とするケースが多いことを想定してシミュレーションを行っています。

 

▼運転スケジュール

 

 

では、実際に室温がどのように変化するのかを見ていきましょう。
もちろん日時と外気温のパターンはプラン1の全館空調と同様です。

 

1月10日
・6:00 外気温:0.4℃
・12:00 外気温:6.2℃
・18:00 外気温:4.6℃

 

1月10日 6:00 外気温:0.4℃

1月10日 12:00 外気温:6.2℃

1月10日 18:00 外気温:4.6℃

 

 

暖房を動かしている時間であれば、エアコンを設置する部屋はそれ相応の室温になっていますが、設置していない部屋をあたためるのは決して容易ではありません。言わずもがなですが、エアコンを設置していない部屋には暖気が行き渡らないため、あたたかくなりません。

 

よって、「極上の快適空間」を作るには、例え高気密・高断熱であっても全館空調が相応しいことがわかります。

ここまで来ると「そりゃあ全館空調は電気いっぱい使ってるんだからあたたかいに決まっているだろう」という声が聞こえてきそうですので、次からはどの程度電気代がかかるのかを解説していきたいと思います。

 

 

 

 

2)プラン1とプラン2の電気代の違い

結論から言うとやはり電気代はプラン2のほうが安いです。

では実際に全館空調と壁掛けエアコンがどの程度電気代が違うのかについては次の画像で確認していきましょう。

 

最初は、プラン1の全館空調です。

 

 

 

そして次は、プラン2の壁掛けエアコンです。

 

 

▼暖房費
プラン1・全館空調:¥29,317/年
プラン2・壁掛けエアコン:¥23,150/年

 

その差は年間でおよそ¥6,000。得られる室温や快適さを加味していただき、この差額が高いのか安いのかをご検討いただければと思います。

 

 

 

 

どれくらいの性能基準があれば全館空調に最適?

1)UA値

それでは、ここからは断熱や気密などの建物性能がどの程度電気代に影響するのか?そして、結局のところちょうどいい外皮性能はどの程度なのか?を見ていきたいと思います。

まずは、断熱性能。先ほどはHEAT20 G2(UA値:0.46)を基準としましたが、今度はG1(UA値:0.56)とG3(UA値:0.26)の比較です。ともに全館空調を採用したと仮定しております。

 

▼比較条件
プラン3
・全館空調
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G1(UA値:0.56)

 

プラン4
・全館空調
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G3(UA値:0.26)

 

 

まずは、平成28年基準より上回るもののG2水準より低いG1水準です。

 

 

 

先ほどのG2水準だったプラン1の暖房費が¥29,317/年だったのに対し、G1水準の暖房費は¥6,000/年近くアップした¥35,000/程度です。

 

▼暖房費
プラン1(G2水準)・全館空調:¥29,317/年
プラン3(G1水準)・全館空調:¥35,151/年

 

 

そして、G3水準はどの程度になるのでしょうか。

 

 

暖房費はグッと下がって、¥19,664/年。G1水準と比較しても¥15,000/年以上も違いがあることがわかります。ここまでの3プランをわかりやすいように断熱性能順にまとめてみました。

 

▼暖房費
G1水準(プラン3)・全館空調:¥35,151/年

G2水準(プラン1)・全館空調:¥29,317/年

G3水準(プラン4)・全館空調:¥19,664/年

 

言わば、断熱性能の『松・竹・梅』。上記のとおり電気代だけを見れば、最も結果の良かったG3水準のプラン4に軍配が上がるわけですが、断熱性能のアップにはもちろん建築コストのアップにも繋がるため、全体のバランスを考えて仕様を決定する必要があります。

 

以前のコラムでもお伝えしましたが、「どの程度の断熱性能がいいのか」のような議論をあちらこちらで耳にすることがありますが、まずは断熱性能はG2水準を目指すことをおすすめいたします。

 

 

 

 

2)C値

それでは、最後はC値についてです。C値の意味についてはあえてこちらでは割愛させていただきますが、隙間がどの程度あると断熱性能同様、電気代に影響を及ぼすのか?全館空調に適切なC値とは?について解説していきたいと思います。

 

▼比較条件
プラン1
・全館空調
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G2(UA値:0.46)
・C値:0(c㎡/㎡) ※わかりやすくするため、隙間をなしとしています。

 

プラン5
・全館空調
・建設地:静岡県浜松市
・断熱基準:HEAT20 G2(UA値:0.46)
・C値:1.0(c㎡/㎡)相当

 

 

まずは、比較をわかりやすくするため、あえて「隙間なし」としたプラン1です。こちらはすでにご紹介のとおりです。

 

 

 

では、C値:1.0(c㎡/㎡)相当としたプラン5について見ていきましょう。

 

 

おっ、結構上がるんだなというのがパッと見の個人的な感想です。プラン1が暖房費:¥29,317/年だったのに対し、C値:1.0(c㎡/㎡)相当のプラン5は¥5,000/年程度アップの¥34,628/年。前述のUA値でもご紹介いたしましたG1水準(プラン3)と近い値であることがわかります。

以上を踏まえ、やはり全館空調を導入する場合は、隙間は少ないに越したことはないということがこれでわかりました。目安は今回比較した中間のC値:1.0(c㎡/㎡)未満を目指したいところです。

 

 

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

極上の快適空間をつくるには断熱気密は不可欠ですが、その上で断熱性能の数値だけを追い求めるのではなく、施工費、光熱費のバランスで判断すべきだということをご理解いただけたのではないかと思います。

また、能力値だけであればエアコン2台で足りるという計算ができるかもしれませんが、上記のシミュレーション結果を見てのとおり、壁や家具、間取りの関係からエアコン2台だけでは温度ムラができてしまいます。

だからこそ住宅性能の検討と空調機器の選定をセットで考えること、シミュレーションを行って検討することが極上の快適空間をつくるには大事なのです。

 

 

OMソーラーの全館空調についてさらに知りたいという方へ


 

 

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