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東京都多摩市・青木さん

2006年6月築

人それぞれの顔が違うように、
家もそれぞれに個性があります。
この家は私たちが心地良いと思える、
私たちのための空間なのです。

設計ファイル

北側に大きな開口部を設け柔らかな順光を取り入れる。

写真:バイオリンの演奏を楽しむ青木さんご夫妻

リビングダイニングを中心に東側にご夫妻の個室とその間に寝室、西側に風呂場、洗面所、トイレの水周りを配置した青木さんのOMの家。道路のある南側と、丘の下に聖蹟桜ヶ丘の街並みが広がる北側のそれぞれにデッキを設け、視界を外に広げて実質面積以上の広さを感じさせています。南北それぞれのデッキ周りには庭を配置し、季節ごとに咲く色とりどりの草花が、外に向いた目を一層楽しませてくれます。

室内は段差をなくしてフラットとし、通路は将来的に車椅子でも通れるよう十分な幅を確保しています。またトイレにOMの立ち下がりダクトを入れたことで、暖かなトイレとなっています。

写真:青木さん宅外観 写真:デッキ

建物概要


東京都多摩市・青木さんの家 平面図(クリックで拡大)

写真:浴室 写真:トイレ
【左】浴室からも丘の下の街並みが眺められる。
【右】キャプション:トイレの中に通っているのはOMの立ち下がりダクト。

写真:博幸さんの部屋音楽家・博幸さんの部屋にはCDなどが並ぶ。

家づくりと暮らし

OMの気持ち良さはよく分かっていたので、他の選択肢は考えませんでした。

写真:聖蹟桜ヶ丘駅周辺映画「耳をすませば(原作:柊あおい)」の舞台になった聖蹟桜ヶ丘駅周辺。丘の上が青木さんのお宅。

スタジオジブリ製作のアニメ映画「耳をすませば(原作:柊あおい)」は、東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘駅周辺を舞台にした作品です。駅前には作品のモデルとなった場所を示す案内マップが掲げられ、今でも多くのファンが訪れています。

青木博幸さん、要美(としみ)さんご夫妻のOMソーラーの家は、その舞台となった桜ヶ丘の街並みが一望できる丘の上に建っています。

青木さんは2005年のご結婚を機に、家づくりに臨まれました。建てる家は、「友人がOMソーラーの家に住んでいて、OMの気持ち良さはよく分かっていたので」と、最初からOMの家と決めていました。

写真:リビングご夫妻の憩いの場となるリビング。天井高の空間はバイオリンの練習にも良いとのこと。

場所については博幸さんの仕事場にも駅にも近いことから、桜ヶ丘と決めていました。その中でOMの家を建てるための土地を探し、巡り合ったのが桜ヶ丘の街並みを眼下に見下ろす丘の上の土地でした。博幸さんは八王子の、要美さんは多摩市の、それぞれ20年近く住んでいた公団住宅を引き払い、2006年6月、完成したOMソーラーの家で2人の新たな生活が始まりました。

「将来を考慮してバリアフリーに」という希望を取り入れた家は、天井高のリビングダイニングを中心に、東側に博幸さんと要美さんそれぞれの個室とその間に寝室、西側には水周りを配置。バイオリニストである博幸さんと公務員の要美さんそれぞれのプライバシーを確保しながらも、繋がりにも配慮した間取りとなっています。

暮らし始めて3年余り。木の香りがほのかに漂う青木さんのOMの家は、熟年ご夫妻のお住まいということもありますが、なぜか年月以上の落ち着きが感じられます。これについて、「キッチンは15年ぐらい使い続けていたもので、使い勝手がいいので持ってきました」と博幸さん。室内の調度品は要美さん手づくりの革張りの箪笥や、テーブルに椅子、洗濯機などの電化製品まで、それぞれが使い慣れた物ばかりが置かれていて、それら大事に使い込まれたモノ特有の風格が、室内に重厚な落ち着きを放っているのだということが分かります。

さらに、「以前住んでいた公団はバリアフリーで、トイレと洗面所、風呂場が広くて使い心地がとても良かったので、そういうところも取り入れてもらいました(要美さん)」と、持ち物だけでなく、かつての住まいの優れた部分も互いに持ち寄って、新しい家づくりの参考にしたとのことです。

写真:カエルの置物 写真:亜美さんの部屋
【左】バイオリンを弾くカエルが置かれた庭のつくばい。
【右】要美さんの部屋は畳敷きの落ち着いた和室。

自分たちにとっての心地良さを基準に家づくりに臨みました。

写真:デッキ南の道路側に設けられたデッキ。色とりどりの花が庭を彩る。

また南側が道路であるのに比べ、北側からは多摩川と聖蹟桜ヶ丘の街並みが一望できることから、眺望を生かそうと北側に大きなバルコニーを設け、視覚的には北側をメインとしています。「景色を楽しむために北側に大きな開口部を設けたのですが、この方が順光なので部屋の中の光が柔らかくてきれいでしょう」と博幸さん。

新築の家というと、とかく新しい家具を揃えたり、南に向いていなければなどと思いがちですが、青木さんご夫妻はそうした概念を軽々と飛び越えて、「使い慣れた家具だから使い続けたい」、「眺望が素晴らしいから北に開く」、さらに「気持ちがいいからOMの家を」と、実に明快に「自分たちにとってどういう家が心地良いのか」を基準に、家づくりに取り組まれてきたのです。そうしてそれらの要望に家づくりのプロとしてきちんと対応してくれることこそが、青木さんが地域工務店を選んだ理由であり、その信頼が希望通りの家へと繋がっていったのです。

写真:博幸さんが弾くバイオリンの音色に耳を傾ける要美さん博幸さんが弾くバイオリンの音色に耳を傾ける要美さん。

「OM以外の選択肢は考えなかった」という青木さん。「もともと僕は水にもこだわりを持っていますし、普段から身体に優しいものをという志向がありましたので、OMにマッチしていたのでしょう」という博幸さんは、「この家は木造で天井も高いし、バイオリンの響きがよくて、練習していても気持ちがいいですよ」と、音楽家ならではの感想もお話してくれました。

そんなOMの家でのご夫妻の新生活は、「多摩川の花火大会が真正面に見えるので、友人をたくさんご招待して花火見物をするんですよ」と、本当にお幸せそう。北側に大きく張り出したデッキからは、「耳をすませば」の主人公、月島雫が天沢聖司からプロポーズされたという「ひみつの場所」で見た景色と同じ桜ヶ丘の街並みが広がって見えます。不思議な偶然ではありますが、バイオリン職人になりたいという少年と少女の淡い恋を描いた映画ゆかりの地から、今はバイオリニストである博幸さんが奏でる美しいバイオリンの音が流れています。

写真:キッチンとダイニング
キッチンもテーブルも使い慣れたものを持ち寄った。

写真:箪笥 写真:バリアフリーな室内
【左】玄関に置かれたアンティークな整理箪笥。
【右】車椅子でも対応できるよう室内はバリアフリーに。

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