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神奈川県藤沢市・朝倉さん
2002年2月築
温度差の少ない家を、快適さを、と求めたら、
自然とOMソーラーを選んでいました。
設計ファイル
玄関前に設けたウッドデッキが家の中と外との緩衝役に。

南側に道路のある縦長の敷地に建つ朝倉さんのOMの家は、中央に吹き抜けを配して1階、2階とそれぞれ20畳ほどの空間をもつ木造2階建ての家です。玄関前に10畳ほどのウッドテラスを設け、家の中と外との緩衝の役目を果たす一方、隙間壁を設けて外の道路側から家の中が見えないよう視線をコントロールする役割も果たしています。
家の内部は壁に珪藻土、床は無垢のチーク材、勾配天井にはヒノキと自然素材がたっぷりと使われていて、和室と1階のトイレ、風呂場以外には仕切りを設けず、ワンルームタイプの広がりのある空間となっています。
2階のプレイルームは、キャットウォークに置かれたスピーカーからの距離を考慮した音楽鑑賞のためのスペースですが、奥様のパソコン作業のための部屋でもあり、また息子さんの遊び場にもなる、家族共有の趣味の部屋です。

【左】機能を優先した造りつけの調理台。流しの下はゴミが分別して収納できる。
【右】キャットウォークに設置されたご主人お気に入りの、ひと抱えもある大きなスピーカー。

【左】1、2階ともに仕切りがない納戸は、整理され、わかりやすく収納されている。
【右】天気を気にしないで洗濯物ができるよう南に張り出した位置にサンルームを設けた。
建物概要
- 在来木造2階建て
- 敷地面積:222.09m2
- 延床面積:114.28m2
(1F:69.56m2、2F:44.72m2)
家づくりと暮らし
私たちにとって家づくりとは、何が必要で、何が必要でないかを見極める作業でした。
その中でOMソーラーを選んだのは、私たちにとってそれが必要だったからです。
この家は潔い家なんです。
OMソーラーの自宅を、そう紹介してくれたのは奥様です。JR藤沢駅から車で数分の閑静な住宅地の一角に、ご主人と息子さんの3人でお住まいです。
朝倉さんの家が建ったのは2002年2月のことでした。家づくりに臨む際、大方の人は自分の夢や希望を目一杯盛り込もうとするものですが、朝倉さんの場合は、自分たちのライフスタイルをしっかりと見つめ、限られた条件の中で必要なもの、必要でないものをきちんと取捨選択し見極めていきました。そうして完成した家だからこそ、奥様は「潔い家」と表現したのです。
そんな朝倉さんの家をお訪ねしたのは2月も末のある日曜日のこと。門扉を抜けると匂やかな梅の花が迎えてくれました。石階段を上がり10畳ほどのデッキテラスの先が、朝倉さんの家の入り口です。扉を開け中に入ると、半畳ほどの靴を脱ぐスペースがあり、すぐに居間へと続きます。
自分たちの暮らしにとって必要なもの、必要でないものを取捨選択して家づくりがなされた朝倉さんのOMソーラーの家。
このシンプルな玄関は朝倉家の特徴のひとつです。「靴を脱ぐだけの場所だから」という理由から、玄関を必要最小限のスペースにした朝倉さん。また限られた空間を生かすため廊下は設けませんでした。
ほかにも「以前の家は仕切りが多かったけれども大抵は開けたままで、開けておかなければならない扉ならいらない」と、仕切りはほとんどありません。そして南に張り出した家の中で最も日当たりの良い場所には、洗面所、浴室、サンルームの水回りを配置しています。リビングではなくあえて水回りを配置したのは、ご夫妻ともにお勤めしているため、「天気を気にしないで洗濯物を干したい」との理由から、最も作業がしやすく効率の良い場所をと考えてのことです。
家の中と外をつなぐデッキテラス。屋根にパーゴラが設けられ、夏には立派なヘチマが収穫されたという。
また音楽鑑賞の趣味をお持ちのご主人は、くつろぎながら音楽を楽しむための空間づくりにもこだわりをもたれました。
居間の天井まで届く大きな吹き抜けに架かるキャットウォークには、ご主人お気に入りの大きなスピーカーが設置されています。このスピーカーをどこに置くかでかなり悩まれたとのことですが、「スピーカー間の距離と、スピーカーからリスニングポイントまでの距離を考えた場合、ベストを望めばどんどん広い場所が欲しくなってしまう。限られた空間の中で考えに考え、ベストではないけれども、ベターでいこう」と最終的にここに落ち着きました。

キャットウォークに置かれたスピーカーからの距離を考慮して設けた2階のプレイルーム。
OMが期待を裏切らなかったのは間違いない。
こうして「必要なもの」、「必要でないもの」をきちんと見極めてつくられた、朝倉さんのOMソーラーの家。
そんな朝倉さんがOMと出会ったのは、近所の工務店が開催した「自然素材フェア」に出かけた時のことでした。当時は築20年ほどの家を購入し、リフォームをして何年も経っていなかった頃で、家づくりなど全く考えてもいなかったという朝倉さん。
しかし、「リフォームをしてもやはり古い家でしたのでとにかく寒いし、あちこち具合の悪いところだらけ。なんとかもっと快適にならないだろうかと、いろいろと研究していた」といいます。
家のほぼ中央部に設けられた吹き抜けは、空間に伸びやかな広がりを与えてくれる。
フェアに出かけたのも、研究のための情報収集の一環であり、その工務店がOM加盟工務店と知った時もあまり興味がなく、OMの第一印象はご夫婦のアンテナに響くものではありませんでした。
しかしそれを機に、工務店から「家づくり」について、丁寧に綴られた完成内覧会や見学会の知らせが送られてくるようになります。そして「なんだか面白そう」と足繁く見学会へと通ううちに、「それぞれの家がみんな違っていて、参考になった」と、家によって様々な形態があり、住まい手とつくり手の思いがあることを学ぶのです。

【左】キッチンと対面式に置かれた食卓テーブルは一枚板に足をつけたご主人お手製のもの。
【右】居間の北側に設けられた唯一の和室。足を伸ばして座れると予想外に重宝している。
こうして見学会を十数軒ほど覗いた頃でしょうか、朝倉さんを取り巻く状況に変化が起こります。息子さんの小学校入学を目前に、朝倉さんは「希望する小学校の近くに住みたい」と考えるようになり、それまで住んでいた家に潔く見切りをつけてしまったのです。そして新たに土地を購入し、いざ家を建てよう決めた時には、「OMの家を選択していた」、というのです。
「寒いのがダメというよりは、僕が喘息を持っていて温度差があるのが苦手なので、そういう条件をクリアする家は?快適さとは?と考えていったら、自然とOMの家に行き着いていた」といい、結局は「必要だった」からこその選択だといいます。
音楽鑑賞にパソコン、読書とプレイルームは家族共有の憩いの場となっている。
そしてOMの家に暮らして丸3年が経過した今、「確かに家全体の温度差が少なくて、OMが期待を裏切らなかったのは間違いない」とご主人は確信しています。しかしながら、OMがせっかく良いコンディションを保っているというのに、日中はご夫妻ともにお勤めをしているので、「すごくもったいない気がする」とも…。
それでも、「外から家に入った時に、夏ならムワッとした暑さがないし、逆に冬はほんのり暖かく迎えてくれる」し、「以前ならまずいちばん最初に暖房や冷房を入れなければならなかったのに、この家はその手間がいらない」と、疲れて帰った時に、やさしく迎えてくれるOMの家を、やはり選んで良かったと改めて感じている毎日だそうです。
西側に収納部分をまとめ、反対側には調理台と分けてつくられた機能的なキッチン。
自ら「潔い家」と呼び、自分たちのライフスタイルにあわせ「こう暮らしたい」という住まい手の意思を、明確に示している朝倉さんのOMソーラーの家。家づくりに向き合った際、あり余る選択肢とあふれるほどの情報の中で、何をいちばん大切にすべきかを、教えてくれています。
