Home » いろいろなOMの家 » 住まい手の声 » 三陸気候区 » 宮城県仙台市・阿部さん
宮城県仙台市・阿部さん
1995年12月築

OMについて、住まいについて、住まい手やこれから建てようという方、いろんな人が情報交換するネットワーク・ひまわり会で開かれている、Soleil∞広場の会が、宮城県阿部さんのお宅を会場に行われました。阿部さんが、年間日照時間が1800時間以上ある仙台市は泉区に暮らし始めたのは、1995年の12月。今回、この阿部さんの家に、3組4人の方々が集まりました。(写真:片流れの屋根をもつ、阿部さんの家)
阿部さんは、東京の建設会社の設計部門を約2年半前に退職。設計事務所を始めて1年少しという、設計士です。今回は、参加者の質問に答える阿部さんの話から印象に残るキーワードを柱に、まとめました。
参加された皆さん:鶴さん(宮城県遠田郡)、鈴木俊さんご家族(山形県米沢市)、佐藤さん(宮城県仙台市)
マンション
『私は以前、マンションとかの仕事をやっていて、細かいことをやっていたので、わが家をつくることになっても、「まあ、大丈夫だろう」と思っていました。でもやっぱり違いますね。住宅はパターンが自由、というか、パターンがないから。マンションには、自由がないんです。決められた長方形を、とにかくいろいろなカタチに分けていくだけですから。マンションでは、洗面所に通風なんて、全然考えられていないんです』。
仕上げ
「炎の見える」ストーブのある居間から台所を見る
『クロスは、「のり」から発生するホルムアルデヒドなどの化学物質が問題ですよね。東京の頃、仕事の関係でクロスを使うことがあったのですが、ニオイとか目がチカチカするとか、「健康によくないな」というのは、身体で感じていました。だから使いたくなかった。しかし一方でコストの問題もあります。クロスを使わないでいい仕上げをしようとすれば、お金がどんどんかかってしまう……その辺りの「バランス」をどう考えるかです。クロスと同等の値段と考えて、わが家は「ペンキ」を使いました』
補助暖房
『私は、ストーブの廃熱を床下に送る、煙道熱式補助暖房にしました。このストーブ(サンポット)は、少しの燃焼で暖が採れ、空気も汚れない。でも何より、「炎が見える」というのが、使いたかった一番の理由です。天気が悪ければ当然集熱はないので、その時はOMがない家と同等な暖房は必要になります。ただ、うちは、このストーブ1台です。また、この暖気が2階へもいくようになっているので、2階の子供部屋には、暖房機器はありません。昨年から今年の冬にかけても、2階では1回しかファンヒーターを使わなかった』
光熱費
『うちはガスは台所だけなので、ガス代は少ないです。毎月1000円位。お風呂も灯油です。電気も照明だけなので、あまり使わない。だから、灯油は多いですよ。200リットルタンクで、今の時期(8月)なら2ヶ月に1回。冬は1ヶ月に2回。1回に150リットル位で、300リットルです。40円/リットル位なので、冬場1ヶ月に灯油のかかる金額は、12000円位かな。これが多いのか少ないのかは、比較対象がないので何ともいえませんが』(4人家族・1階/71.34平米2階/49.68平米総延床面積/121.02平米(36.6坪))
お湯採り
『お湯もまあまあ採れています。熱いとまではいかないけれど、温かい。お湯を焚く場合でも、30℃のお湯を40℃にするのと、水から40℃に沸かすのとでは、エネルギーの使用料は随分違います。お湯を採ることだけを考えれば、屋根に水をまわす太陽熱温水器みたいのは効率はいいかもしれませんが、冬場の凍結など、いろいろ問題もあるようですね』
吹き出し口
『うちの家内が一番嫌がっているのが、「吹き出し口からゴミが見える」ということ。この前掃除機ですったら、ホコリがたくさんとれました。例えばストッキングや網戸のメッシュの細かいような、空気は通すけどホコリは通さない、というものを貼るなど、自分の工夫でやれることがあります。吹き出し口も部屋同様、掃除する場所だというように、習慣づけておくこと。それから、木は収縮するから、吹き出し口を容易に取り外しできるようにしておいた方が、掃除のことを考えると楽ですよね』
家
風の通りを配慮した和室
『私は、1975年頃から、太陽エネルギーについて興味を持ち続けていました。当初は、パッシブではなく、アクティブだったんですけど。そして、いつかソーラーハウスに住みたいという夢をもっていました。「建物」、特に「住宅」というのは、モノだけ建ってどうの、っていうのはないですよね。私は、ひまわり会の入会アンケートに「木にかこまれた家。一目で建物が見えない、木に囲まれた家が好きだ」と書きましたが、自分で木を植えたり、庭をつくったりっていうのは、時間がかかるんですよね…。“土地も含め、設計も含めての「家」だ”って、そう思っているんです。家単体じゃなくてね』
今日の話題/8・23「子供の安全対策」
阿部さんご一家
鶴さんや鈴木さんには小さなお子さんが、また佐藤さんは、建築設計の企画を仕事とされ、また生活の体験より、幅広い視点から「家」についてお考えです。そんな中『直接OMとは関係がないのですが、階段など、子供の安全対策はどうされてますか?』という話題が上がりました。
阿部:うちは、蹴上げや勾配は緩くしました。これは、子供が小さいうちは子供の安全、そして子供が大人になったときは、自分たちの老後対策にもなるんです。また、万が一落ちても半分で済むように、階段を一列にせずに曲げることで、途中に踊り場をつくりました。
佐藤:子供って、自分の危険度を感じると、とても用心深くなる。うちの階段は、蹴上げが高いので、ロープを付けました。そしたら、後ろ向きにロープを使ってひざを突きながら降りてくるんですよ。自分で危険、というのを感じながら降りてくる。危険防止は自分でするんです。柵をつくると、柵に頼りますから、その柵が倒れたときの事故は大きいですよね。
鶴:今は階段がない家に住んでいるから、実家に行ったりすると、子供が階段に登りたくて仕方ないみたい。それで階段の前に柵を置たら、今度はそれを超えようとして…。
佐藤:下り方を教えてあげたらどうでしょう。前から下りるとドンっと落ちちゃうけど、後ろからなら割合大丈夫。うちは具体的には、身長に合わせた高さで壁にロープを付けました。長いロープの途中にいくつか結び目をつくって、それにつたって下りられるようにしたんです。
阿部:一番危ないと思うのが、階段の角のところ。ここを面取りするとかね、そういう気配りは必要かも。また、狭いところのドアも、開き戸より引き戸の方が、取っ手の出っ張りがない分、安全だし、よく開放しにしておくところのドアは引き戸の方がいいと思います。
ひまわり会会報誌『soleil』8号(1998.11)より