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山形県天童市・斎藤さん

2000年9月築

“地球環境のために何かしなければ”
その思いから、OMソーラーの家づくりを選びました。

設計ファイル

個室は必要最小限に。ゆとりのある空間を数多く設け、楽しい家に。

写真:山形県天童市・斎藤邸最初は窓の掃除のために南側のみにキャットウォークを設ける計画でしたが、ぐるりと回ることができたら楽しくて便利だろうと、吹き抜けの周りを囲むように通路を設けました。1階もひとつの空間からもうひとつの空間へとぐるぐると回ることができるようになっています。

リビングの中央にはOMソーラーの床下からの放熱が足元を暖める掘り炬燵が設けられています。「足を伸ばして座ることも出来るので、とてもラクです」と奥様。

子ども部屋も夫婦の寝室も最小限のスペースが確保できればいいと、個室は必要最小限の広さに。それに代わって家族みんなが集まるリビングや2階のオープンスペース、バルコニー、家族用とお客様用に分けられる玄関スペースなど、ゆとりのある空間を数多く設け、遊びのある楽しい家になっています。

写真:吹き抜けのあるリビング
吹き抜けのあるリビング。
南側開口部から障子を通して、柔らかな光が射し込む。
中央は掘り炬燵に。OMソーラーによる床下からの放熱が、足下を暖める。

建物概要


山形県天童市・斎藤さんの家平面図(クリックで拡大:33KB)

写真:オープンスペースの2階ホール・2階バルコニー
【左】家族共有の場となる、オープンスペースの2階ホール。
【右】ゆったりと確保された2階バルコニー。過ぎ行く風が心地よい。

家づくりと暮らし

家づくりに対する自分の考え方と、OMの考え方とが、ピタリと一致して。

写真:斎藤さんの家外観 外観。二度目の家づくりはOMソーラーの家に─。斎藤さんの生き方や価値観が映し出されている。

斎藤さんが最初に家を建てたのは、昭和60年のことでした。工業高校のデザイン科の教師である斎藤さんは、当時30代前半。まだ経済的に余裕のない頃で、ごく普通の木造2階建ての家だったと言います。

ところがその家を土地の区画整理のために手放さざるをえなくなり、斎藤さんは再び家づくりに取り組むこととなりました。今度は2度目、また、余裕のなかった30代の時とは違います。斎藤さんは、じっくりと自分の考えをまとめあげ、大きく5つの柱をもって家づくりに臨みました。

  1. 環境に負荷の少ない家であること。
  2. 住まい手の価値観が感じられる家であること。
  3. 正直な家であること。
  4. エコライフの実践を理想とすること。
  5. 住んで楽しい家であること。

写真:きれいに納められた既存家具 設計段階から置き場を考え、きれいに納められた既存家具。階段には補助暖房用の吹き出し口が見える。

最初に家を建てた時から15年近くの歳月が流れ、時代は大量消費の20世紀から環境の世紀と言われる21世紀へと、社会情勢も人々の意識も変わり始めていました。当然、斎藤さんの家づくりにも、以前にはなかった新たな視点が加わります。そのきっかけをつくったのが、職場で購読している建築専門雑誌に掲載されていた、建築家・OMソーラーの考案者である奥村昭雄氏の記事でした。「家づくりに対する自分の基本的な考え方と、奥村先生の考案されたOMの考え方が、ピタリと一致していたんです」

斎藤さんの二度目の家づくりはOMソーラーの家に決まり、その後は、山形の地域性や気象条件、暮らしぶりをよく熟知した会員工務店の展示場や見学会に何度も出かけたそうです。「見学したそれぞれの家でのOMソーラーシステムの取り入れ方を研究し、参考にさせてもらいました」と言う斎藤さん。その研究の成果は、斎藤さんが温めてきたイメージをベースに専門家のアドバイスを加えながら、平成12年9月に実りました。中央に設けられた吹き抜けが印象深いOMソーラーの家です。

家は、住まい手の生活や価値観を表現するものだと思う。

写真:集成材を使ったシンプルな洗面 集成材を使ったシンプルな洗面。
全面ガラスの左右に設けた小物入れが整理整頓に大活躍。

「以前の家は一部屋ずつ区切られ、それぞれの部屋にクーラーや暖房器具を設置していました。機械によって温熱環境を制御する生活は、精神的に窮屈でしたね」という斎藤さん。建築そのものの仕組みや工夫によって太陽エネルギーを有効に活用するOMソーラーにおいて、斎藤さんのお宅では、中央に設けた吹き抜けが、太陽の温めた空気を家中に循環させる役割を果たしています。しかも、OMソーラーが動いている時には、暖房しながら換気ができるという、相反するものの両立が図られます。

写真:来客用と家族用に分けられた玄関。 写真:大きな吹き抜けの上部に設けられたキャットウォーク
【左】来客用(右)と家族用に分けられた玄関。
来客は、造り付けの椅子にちょっと腰を降ろし話をすることができる。
【右】大きな吹き抜けの上部に設けられたキャットウォーク。
吹き抜けの回りをぐるりと一周できる仕掛けが楽しい。

写真:木と漆喰で爽やかな印象の内部 木と漆喰で爽やかな印象に仕立て上げられた内部。

また素材は、「工場で出来た時がいちばん綺麗という新建材ではなく、
何年か経過した時にも趣や美しさのある素材で」という希望に沿って、木材や漆喰などの自然素材にこだわり、派手さはなくても正直な家であることを旨としました。

「地球環境の現状、化石燃料は有限であるという事実を目の前にした時、自分たちのできること、また何をしなければならないのかということを考えました。貢献度としてはほんのわずかかもしれませんが、自分たちがこのような気持ちでOMソーラーの家づくりを選び、生活しているのだということを表現することで、それらのことを多く方々に伝えることができますし、なにより、“そういう家に住んでいる”という満足感が一番大きいのだと思います」

写真:階段西側の細長いスペースを有効利用 階段西側の細長いスペースを、ちょっとした書斎として有効活用。

厳しい寒さが続く天童の冬。それでも「前の家では一日中、暖房器具のスイッチを入れていたけど、この家では朝と晩の数時間、補助暖房を入れるだけ。あとは太陽の恵みを家の中に取り込んでいます。私たち夫婦は共稼ぎで昼間は留守にしているけど、その間もOMはずっと働いていてくれる…。帰ってドアを開けたときにその暖かさを感じるんです」と笑顔の斎藤さんです。

二度の家づくりの体験。その大きな違いは、社会情勢の変化と自分の中での意識の変化から生じているものだろうと、斎藤さんは言います。「最初に家を建てた時はまだOMソーラーはありませんでしたからね」。そして今では、学校の授業の中でも“環境”について教えているのだそうです。生徒の中には、全国に先駆けてOMソーラーを導入した中学校「金山中学校」の卒業生も在籍しているとのこと、OMソーラーとの不思議な結び付きを感じるお話です。

写真:愛犬と共に 愛犬と共に。竣工当時はまっさらだった庭も、今では緑豊かに、家としっくり馴染む。

「高校は基本的なことについて教える場です。あとは大学進学や社会に出てから、さらに研鑚を積むことになります。だからこそ、基礎を教えるこの大切な時期に、子どもたちには“環境”についての考え方を記憶の中に留めさせてやることが大事だと思っているのです。また大人たちがそのことを子どもたちに伝える努力を続けることによって、社会全体が良くなっていくのではないでしょうか」

そして斎藤さんはこの言葉を付け加えました。「家は、住まい手の生活や価値観を表現するものである」と。

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