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新潟県刈羽郡・長永さん

1996年10月築

雪国のOMソーラーの家を訪ねて

OMについて、住まいについて、住まい手やこれから建てようという方、いろんな人が情報交換するネットワーク・ひまわり会。会員のみなさんからひまわり会事務局にこんなお便りが数多く寄せられています。

「当地は日照時間が短い方なので、同じような条件で建てている方のお話が聞きたい」(秋田県の松尾さん)、「山形あたりの気候では太陽熱を利用するOMソーラーは無理かなぁ」(山形県の菖蒲さん)、「数年後に家を建てたいと思っています。特に富山は日照時間が少ないので、情報をたくさん知りたい」(富山県の志波さん)…

そこで、“これから家を建てたい”というお考えの長谷川さんと、“フォルクスAに住んで1年ちょっと”という本田さんご夫妻が、日本でも有数の豪雪地である新潟県刈羽郡にある、長永さんご夫妻のOMソーラーの家を訪ねました。その時のようすをご紹介します。(1998年3月発行『soleil』より)

厳冬の訪ね人:新潟県長岡市本田さんご夫妻(1996年11月入居)、新潟県長岡市長谷川さん
案内人:松村幸次/ひまわり会事務局

写真:長谷川さん
長谷川さん

写真:長永さんご夫妻
長永さんご夫妻

写真:本田さんご夫妻
本田さんご夫妻

1998年1月22日、「積雪60cm。例年より雪は少な目です」。こんな話を電話で聞いたのも束の間、伺う直前28日には、「現在積雪150cm。冬の雪国は、なかなか予定通りにいかないものです」との連絡──長永さんのOMソーラーの家は、そんな刈羽郡高柳町にあります。新潟県の中央よりやや南西、海岸より25kmくらい中に入った山間の小さなこの町は、例年2~2.5mの雪が降り積もるという雪深い田舎町。冬は晴れる日が少ないため、太陽エネルギーを利用したソーラーシステムには不向きな地域といわれるところです。長永さんご家族は、8年前に横浜から、この高柳町に移住され、1996年10月、OMソーラーの家を新築して、暮らし始めました。明さんは、OMソーラーを選んだそのきっかけを、こう語られます。

写真:北側外観 新潟県刈羽郡高柳町に建つ長永さんの家(北側外観)

「たしかに条件は悪いのですが、逆にだからこそ、切実にたまに出る太陽エネルギーを使えれば…という気持ちが強かったんです。あまり贅沢を言わなければ、何とかなるのではないかという考えでやってみました」。

“自然と交流する、シンプルでリッチな生活を目指したい”そんな長永さんの暮らしを少し覗かせていただきましょう。

冬の間、OMソーラーは、どのくらい働くのでしょうか

厳しい寒さ、降り積もる雪。そんなこの地で、実際にどの程度OMが動くのでしょうか。まずは何をおいても気になるのがこの点でしょう。

長永さん:1996年の10月に稼動をはじめて以来、1年と4ヶ月が過ぎました。結果はまずまず。雪国の山間地でもOMソーラーが有効であると言えると思います。この<グラフ1>を見て下さい。はじめる前の直感では、11月から4月のOMソーラーの稼動率は、平均で45%という予測でした。しかし、10月から4月で、111日/189日→58.7%の稼働率と、予想以上に動いてくれました。とくに、3月、4月は、<グラフ2>のようにお湯も採れるようになりました。6ヶ月の冬が3ヶ月に縮まったのですから、これは大きいと思います。

長谷川さん:(OMソーラーが)こちらの地方ではあまり普及しないっていうのは、やっぱり元がとれないってことなんでしょうか。雪国でこういうシステムをやろうというのは、まあ、自分もやりたいんですが、まわりから見ると不思議でしょうがない、というようなんですが。

長永さん:灯油の消費量は、去年と一昨年では1000リットルくらい減っているんです。それでも1リットル50円で、1年で5万円だから、それだけを考えて元をとろうとしたら30年かかっちゃう。

長永さん(奥さん):でも、暖かさの感覚が違うものね。気持ちがいい。

長谷川さん:その“感覚”っていうのはどんな感覚なんでしょう。

本田さん(奥さん):私たちは、長永さんと同じ1996年の11月にフォルクスAで家を建てて暮らし始めたんですが、私が感じたのはね。2人暮らしですから帰ると誰もいないんです。で、玄関を入って、もう1枚戸を開けるでしょ。すると、いつも人がそこにいるような暖かさがあるって感じなんです。

長永さん:前の家が茅葺きの屋根だったんですね。3月、4月は外もだんだん暖かくなるんですが、こんな厚い屋根でしょ、家の中にはその暖かさが入ってこなかったんです。そういう暖かさを、家の中に取り込めるのがいいかな、という思いもありましたね。

本田さん:3月は気持ちいい暖かさでしたね。外に雪は残っているけれど、家の中は暖かいって感じで。2月にタンクに灯油を入れたら、それっきり使わなくて、結局11月まで入れないで済みましたから。

長永さん(奥さん):うちも、前の家では3月4月でも家の中が寒かったから、そう感じます。真冬(1月、2月)は全然期待してないからいいんです。3月4月だけでも暖かくなればいいなと思って。

長谷川さん:でも、太平洋側と比べると完全に負けてますよ。それじゃあ面白くない。

長永さん:どうしても動かない期間はありますから。

長谷川さん:雪に耐えるとか、克服するとかいうのではなく、雪と仲良くなるとか、雪を利用するというように、雪国だからこそ良かったと思えるようになれば、太平洋側にくやしい思いをさせられるんですがね(笑)。

暮らしながらだんだん完成していく

長永さん:うちはフォルクスAと似てて、パネルを使っています。そして、柱が出るように真壁みたいにしています。

案内人:随分天井が高いように思うのですが。

長永さん:合板のサイズをそのまま使ってるんで、梁から下が2730mmあります。

案内人:設計もご自分でやられたと聞きましたが。

長永さん:工務店さんに見てもらいながらですが、私がやりました。プレカットの仕事をしている関係で、たくさんの住宅の図面を見ていますから、ある程度はわかります。あと、なるべく国産の杉を使いたかったんですが、結局、柱と外壁と玄関と天井くらいになっちゃった。 小屋裏にも部屋を作ろうと思って、窓をつけてます。まだ入口が口を開けているだけで、これから階段を作らなくちゃいけないんだけど。

本田さん:小屋裏はこんなふうになってるんですか。うちはフォルクスAだから、見たことないです。

案内人:フォルクスAは半円形棟ダクトではないですから。

長永さん:とりあえず箱だけつくったって感じで、中のほうはこれからなんです。

長永さん(奥さん):予算的にも、OMソーラー以外のところをたくさん削りましたね。

長永さん:収納もまだまだです。

本田さん:収納は大事なんだよ。

長永さん:でも、あんまり作りすぎちゃっても、なんでも突っ込むようになっちゃうから。それから、2階の部屋も天井張らないで障子にしました。そうすると、小屋裏が真っ暗にならないからと思って。

案内人:ここの障子を開けると、吹き抜けがあるんですね。

長永さん:そこは、建具屋さんが作ってくれました。

本田さん(奥さん):素敵ですね。

長永さん(奥さん):おかげで話がまる聞こえなんです。この家は。

本田さん:うちもそうです。内緒話ができない。空気がゆきわたるってことは、声も聞こえるってことですもんね。

本田さん(奥さん):うちは1階で寝てますけど、2階のほうが暖かいですよね。

長永さん:うちも、すこし暖かいですね。それから、大工さんによく言われるんですよ、壁途中じゃないのかって。大工さんからするときれいに仕上げたいんですよね。途中でもいいっていてるのに。

本田さん:汚れたら貼ればいいし。

長谷川さん:屋根の雪はどうですか。

長永さん:5寸あれば落ちますね。

本田さん:うちはもう1階の半分は雪で埋まっています。

長永さん(奥さん):私は高床じゃないといやだったし、お父さんはOMソーラーじゃないといやだったから。

長永さん:高床式だとスラブに蓄熱させて、下には断熱材があるんですが、うちは横には入ってないので、いくらか性能は落ちてると思います。断熱性という点では、地面の基礎にやった方がいいんだと思う。

本田さん:薪ストーブはいいですね。

長永さん:今は、前の家の古材を燃やしてるんです。解体したときに分別したものを。

長永さん(奥さん):ストーブを夜遅くまでつけていると、次の朝までわりと温度が下がらないので、補助暖房はあまり利用しないです。

案内人:開放式のストーブをしようする場合は、同時に換気計画を十分に考えることも大切ですね。

OMソーラーの家に暮らして

長永さん:あと、11月のはじめなど、寒くなりだした頃だと、温度が高くても寒く感じますが、1月になると体が慣れてくるのか、低い温度でも平気になってくる。16~17℃くらいでいいですね。

本田さん:うちは20℃くらいだよね。

長永さん(奥さん):2階なんてもっと暖かいもんね。

長谷川さん:2階は暖房ないんですか。

長永さん(奥さん):全然ないです。長谷川さんが座っているあたりが一番寒いかもしれないです。

長永さん:上から階段つたって降りてくるから、衝立て立ててって言われてるんですけど…。

本田さん:夏は暑かったね。

長谷川さん:えっ、冬暖かくて、夏涼しいんじゃないんですか?

本田さん:2階はとくに暑かった。

長永さん(奥さん):断熱・気密が高いからクーラーをちょっとつければ涼しいんじゃないっていわれるんですが・・

案内人:日射を入れない工夫も必要でしょうね。低レベルの自然エネルギーを少しでも有効に使うためには、熱を逃がさない知恵や、熱を入れない工夫が大切だと思います。

長永さん:私は、家はおもちゃのようなもので、その道具のひとつが、OMソーラーのような感じがしています。

長谷川さん:太陽が出ているのを見るのは、楽しみじゃないですか。

長永さん(奥さん):お日様が出るとうれしい。

本田さん(奥さん):OMが動き出す音がするとうれしい。がんばってるんだなって。

本田さん:お風呂もうれしいですね。

本田さん(奥さん):あっ、熱いとかいって(笑)。

長永さん:お湯もゆっくりあたたまってるから感じが違う。

本田さん:丸いというか…

長永さん(奥さん):私は感じませんけど。

長谷川さん:気のせいですかね。

本田さん(奥さん):気がつくと、お水をいっぱい足さないといけないくらいになります。

暮らしの中の改良点

長永さん:今、私は、改良したい点が4点ほどあります。2点は、蓄熱スラブの断熱が悪いことと、音が響くということ。あとの2点は、薪ストーブの燃えが悪いことと、集熱ガラスの雪が落ちにくいことです。薪ストーブは、家中全部締切ってしまうと空気が入ってこなくなるので、燃えにくくなります。OMソーラーの制御盤にもこのようなときに使えるモードがあればいいんですが…

案内人:換気扇などと連動させて、外気を取り込むことは可能です。

長永さん:雪は、集熱ガラスとガラスなし集熱面の境で止まってしまいます。あと、軒先でも凍ってしまい落ちなくなってしまいます。ベランダをガラス張りのサンルームにして、ストーブの暖かい空気を軒先へもってきて、凍結防止ができればと、自分なりに考えています。OMは、空気を動かせるからいろいろ考えられて面白い。せっかくお日様が出ても、雪が載ってしまっていては空気の暖まりが遅れます。少しでも早く落としたいですから。

長谷川さん:それはやっぱり、雪国ならではの工夫なわけですね。

雪国には雪国の暮らしがある

長永さん:新潟の夏って、暑いんだよね。なんかじめじめして。

本田さん(奥さん):冬寒いから、夏は涼しいかと思ったら違うんですね。雪が降るからって必ずしも夏涼しくない。

長谷川さん:夏に、この雪そっくりとっておいて何かに利用できればいいのにね。

長永さん:半年もってくれればいいんですが。十日町のほうで、そういう研究されているようですよ。雪に風を通して、涼を得ようっていう。それなりのお金がかかっちゃうみたいだけれど。 テレビで雪が降っているのを見るとすごいなーと思うけど、そこで生活してみるとまた違いますね。

本田さん(奥さん):実家の福島では、雪こんなに降らないし、夏もこんなに暑くない。エアコンがついている家も少ないんです。ところが、長岡に来てほとんどの家にエアコンがあるのには驚きました。大変なところに来てしまったと思いましたよ。

長谷川さん:やはり条件としてはよくないところですよね。でも、それをなんとか喜びに変えたいですよね。

本田さん(奥さん):住んでいくうちに変わっていけばいいんですが、まだちょっと。

本田さん:でも新潟は、季節感があっていいし、“春を迎える”ということの喜びを感じることができる。そういうのって大切ですよね。

長谷川さん:雪が溶けるから、土筆は頭を出す時期がわかるんだよね。雪がないと、いつ出ていいのやらわからない。

本田さん:境がないとね。山菜とか、雪があるから時期がわかる。気温だけじゃないんです。

長永さん:雪がないと、いつもせわしないような気がするんですよね。雪が降ってしまうとどうしようもないから、あきらめちゃうんです。じたばたしてもしょうがないって。

本田さん(奥さん):“春の喜びが違う”っていいますよね。私にはまだわかりませんが。

長谷川さん:雪下ろしを経験してもらうとよくわかると思うんだけど(笑)

長永さん:OMソーラーがいいかどうかっていうのは、その人の考え方ですよね。高気密・高断熱にして、なるべく熱を逃がさない、空気の出入りもなるべくさせない、省エネ型の家がいいという人もいるし。コストと効果だけを考えるのなら、それもいいとは思うけど…。

長谷川さん:それじゃ、面白味がないですよね。

長永さん:そういう生活は、いやだっていう人にはね。

長谷川さん:OMをやろうっていう人は、自然との調和を考えている人が多いんだと思います。特にこういう雪国では、その気持ちが強い人でないと。

長永さん:面白くないとね。

長谷川さん:長永さん、これからも雪国ならではのOMソーラーの家、つくっていってください。

自然の恵みを生かした、シンプルで自立した暮らしがしたい、と長永さん。実測リポートもあります。

Nagae:note book

長永さん自然界は機械と違って、規則性のゆらぎを持っている。
住む人が適当に細工できる道具立てを建物にしておき、そのゆらぎに対応していくことが、おもしろいのではないだろうか。

家の周縁計画図「自然と交流する家」~家の周縁計画図

旧宅跡地を整理して、実のなる木、花、野菜を植える予定。家の周りでできる仕事があることは、いいことだ。高齢化対応住宅は、バリアフリーも必要だが、こういった点も大きな要素だと思う。畑が完成するまで数年は楽しめそうだ。

「シンプルな暮らし」について思う

夏の田舎の朝の、清々しくて、ほっとするような、懐かしいような感じが好きです。木や草や稲やそのほかの諸々の生き物が目覚める時の生気が発散されるためなのかわかりませんが。家の周りを歩いてくると眠気もとれ、気が充実してくるようです。ストーブの煙突にスズメに巣を作られてしまいました。スズメは、草や藁で巣を作り、子育てをします。家具や道具や、まして電気製品なんてものは使いません。自分の持っている能力を生かしながら、餌を探し、外敵や雨風から身を守り、また楽しみながら生きています。人間だけがなぜこんなにもいっぱい物を持たないと生きていけないのか、と思ってしまいます。

一昨年家を作る時にも、シンプルな自立した暮らしを目指して、いろいろ考えてみました。

周りにある自然の恵みを出来るだけ生かす。
お金への依存をなるべく減らし、生活に必要な物を自分で作る。

過疎化しつつある村では、太陽、風、雨、山、川、畑、田圃、宅地など、一人あたりの自然は増えつつあります。太陽の熱、光は、命の源。空気が澄んでいるので日中の陽射しは強くて暑いけれど、朝晩は涼しくなります。日中でも風は木々の間を通り抜けて来るので、涼しくエアコンがなくてもなんとかなります。町営水道ができる以前に使われていた山の湧水を共同で引張ってきている自営水道がまだ使え、お茶がおいしく飲めます。谷川の水は、農業用水として引かれていて、畑、池に使えます。山では山菜、きのこ、竹の子などが取れます。枯れ枝、倒木は放置されたままです。薪として使えます。田圃、畑も使われないところが増えています。

まさに過疎化の村はもったいないだらけです。これらをおもしろく生かすことが、OMの考えに通じるのだと思います。ただ、あまり欲張ると疲れるばかりですから、できることを少しずつ増やしていければと思っています。

真冬は無理としても、晩秋、あるいは早春の晴れた日、また真冬でもときどき顔を出す太陽の力をなんとか分けてもらえないか・・・これは雪国の切実な気持ちです。ここ雪国新潟において、OMソーラーが有効であるかを、実際に実測してみました。

1.OMソーラーの稼動状況

わが家の1996年10月~1998年1月までのOMソーラーの稼動状況を図にまとめてみました。1ヶ月を、上旬/中旬/下旬に分け、10日間のうち正午をはさんで4時間以上か同した日数を数えたものです。私の稼動予測は、以下の通りでした。

11月 12月 1月 2月 3月 4月 平均
50% 40% 30% 30% 50% 60% 45%

しかし実際は、秋から冬、春にかけての集熱有効稼動率は、58.7%と、予想以上でした。

OMソーラー稼動状況

96年11月 雪が降り、今年は大雪かな。
12月 12月からお正月にかけて晴天続く。高い稼働率に。
97年1月 後半から2月中旬、稼働率ダウン。
2月 全般に雪が少なく、うす曇りでも、棟温は35~40℃まで上がり集熱。
3月 お湯とりが30℃以上に。
4月 今までは4月いっぱいストーブを離せられなかったが、今年はソーラーのみで、暖房は十分に。
5月 ソーラーは給湯のみ、お湯は40~50℃近くに。風呂・シャワーには十分。
6月 梅雨で稼働率は落ちるが、それでも50%ぐらい。
7~8月 早朝はひんやり。昼にかけて気温は上がり、室温は外気温より3~4℃低く、湿度は40~50%。暑くてどうにもならないという状況にはならず。
9月 雨多く、稼働率は40%。台風の日本上陸が多い年だった。

2.真冬の快晴の日と曇りの日の温度変化

1997年の2月15日(土)と16日(日)の温度変化を比較してみました。

真冬の快晴の日と曇りの日の温度変化

温度

15日/朝から晴天。屋根からの集熱温度は55℃まで上がる。室温は、19℃となる。試しに水を温めてみる。6℃の水は21℃に。ちょっと無理だった。(2月26日にもう一度やってみると、31℃までいきました。もう少し!)

16日/朝からどんよりと曇りに。薪ストーブで温めているうちに、薄日が射す。屋根からの集熱温度は37℃に。十分に暖まらず、3時頃からストーブ炊く。

湿度

45%~55%と適度な状態。以前の家では除湿機が離せなかったのがウソのよう。

通常の温熱環境

通常は、朝ストーブを炊き、夕方帰って来たときソーラーが動いていた日は、16℃~17℃、動いていなかった日で14℃~15℃くらいで、ストーブをつけるというパターン。朝は慣れもあり、12~13℃くらいで、寒い感じはしない。 

補助暖房

主力は薪ストーブ。これだけで、建物全体が18℃~20℃になり、部屋による温度差は、2~3℃くらい。以前と比べて、灯油は1/2以下、薪の消費量は若干少なくなった。地球温暖化の一因といわれている二酸化炭素(CO2)の排出量削減の点から見て、太陽熱はもちろん二酸化炭素は出さないし、薪は燃やした分、木を育てて吸収できるからプラマイ0になる。手はかかるがこれも生活の一部です。

平面図

番号をクリックすると写真がご覧いただけます。

1階平面図(クリックで拡大) 1 2
1階

2階平面図(クリックで拡大) 43 5 6
2階

3階平面図(クリックで拡大) 87109
3階

1 長永さんの家南側外観。
南側外観
2 西側から玄関をのぞむ。
西側から玄関をのぞむ
3 高床式部分は車庫、倉庫、作業場として利用。
高床式部分
4 玄関の壁は国産の杉材で。
玄関
5 大活躍の薪ストーブ。
薪ストーブ
6 内部吹き抜け。壁は合板表しの壁パネル。
内部吹き抜け
7 天井も国産の杉材を使用。
国産の杉材を使用した天井
8 2階の天井と小屋裏は障子で仕切られている。
2階の天井と小屋裏を仕切る障子
9 小屋裏点検口。
小屋裏点検口
10 小屋裏。円形棟ダクトが見える。
小屋裏
   

訪問を終えて

長谷川さん

写真:雪と暮らしについて話す皆さんの様子こちらではOMソーラーの家がまだまだ少なく、同じ感覚を持っている人たちと話ができて、とても楽しかったです。こんなに雪の多いところで、太陽エネルギーの利用を行っているとは、長永さんには驚きました。そして、これは、“考え方ひとつにかかっているな”と感じました。私は欲張りなので、太陽だけでなく、風や雪も有効に使って、まわりの家とは違う、変な家と呼ばれるような家がいつか実現できればと思っています。「冬、太陽がたまにしか顔を出さないからこそ、その太陽を最大限利用しよう」そういう気持ちがわかった気がします。

本田さん

このような方々とお会いすることができて、新しい世界が広がった気がします。100%じゃないけど、足りないところを補っていく、それ自体が楽しいことなんだ、ということを考えさせられました。今まで、このようなお話しは工務店の方としかできなかったので、長永さんや長谷川さんと知り合うことができて、たいへん良かったと思います。

長永さん

今日、この雪の中を皆さんが来られることが、実は一番の心配でした。3月頃の、天気がいい時期に来ればいいのにと思いましたが、本当の雪国の姿を見ていただくのもいいことかな、と感じました。

私は、はじめから完成した家にするつもりはなかったので、箱だけつくって、あとは住みながらつくっていきたい。図面で100%を求めるのは無理だと思います。私は、住みながら100%にしていけたらいいと考えています。

雪と暮らしについての話で、時間はあっという間に過ぎていきました。長永さんは、この日も素足でした。

ひまわり会会報誌『soleil』4号(1998.03)より

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