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群馬県富岡市・鈴木さん
2007年3月築
予期せぬ出合いでした。
でももし、あの時の出合いがなければ、
今の暮らしはなかったでしょう。
あの時の、あの出合いに、ありがとう。
設計ファイル
フレキシブルスペースでもある土間のあるOMの家。


家づくりに際し、土間は必須アイテムだった鈴木さんのOMソーラーの家。家の中と外の中間の存在は、どのような用途にも対応できるフレキシブルスペースでもあります。
目線を同じ高さにするよう居間より一段下げたキッチンは、カウンターテーブルに対してキッチン側からは椅子で、居間側からは堀座卓風に座れるようになっています。
5人家族がゆったりと入れるほど広いお風呂場は、南側に設けてあるため明るく、湿気防止にもなって水周り特有のジメジメとした感じがありません。
建物概要
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フォルクスA2階建て
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敷地面積:483平米
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延床面積:110平米(1階床面積70平米 2階床面積40平米)

群馬県富岡市・鈴木さんの家平面図
(クリックで拡大:112KB)
居間側からは座卓風になっているカウンターテーブル。


【左】友人から贈られたという囲炉裏テーブルが置かれた土間。
【右】南側に設けられた広くて明るい風呂場。
家づくりと暮らし
OMの家に出合っていなかったら、今でも家を建てていなかったかも‥。
家でみんなで一緒に過ごしている時がいちばん楽しいという鈴木さんご家族。
群馬県富岡市。穏やかな田園風景が広がる中に、屋根にちょこんと煙突のある鈴木さんのOMソーラーの家があります。吹き抜けのある広いリビングに響くのは、ご家族の楽しそうな笑い声。建築関係の仕事に携わるご主人。長男であり、妹たちの世話を進んでする優しいお兄ちゃんの一貴くん。日向ぼっこが大好きなお母さんが、日だまりからイメージして名付けた長女の暖円(ひまり)ちゃん。心の暖かい子に育つようにとの願いを込めた次女の心暖(このん)ちゃん。そして専業主婦の奥様の5人家族です。
「以前は休日になると家にいるのがいやで、外出ばかりしていたんですけど、この家に住むようになってからは、家で過ごすのがいちばん楽しいと思えるようになりました」という鈴木さんがOMソーラーの家と初めて出合ったのは、新築の公営住宅に入居したての頃のことでした。ご主人の知り合いがいる工務店に、「どうして行ったのかよく覚えていない」ほど何気なく、ひょいと立ち寄ったのだそうです。
「入居してまだ半年ぐらいでしたから、家を建てようという気は全然なかったんですよ」と屈託もなく笑う奥様ですが、一家の主であるご主人の頭の中には、「いつまでも公営住宅に住んでいるわけにはいかない。いずれは一戸建ての家を」との思いが、どこかにあったといいます。それでも若いご夫妻にとっては、「家づくり」はまだまだ先の話。冷やかし半分で、「家を建てるにはどれくらい費用がかかるのか、ちょっと聞いてみよう」くらいの軽い気持ちで、顔を出したのだとか。
ところがそんなご夫妻の前に現れたのは、それまでに見たこともないタイプの家でした。「家」といえば、「壁はビニールクロスでお風呂はユニットバス、部屋は小さく区切られて」というイメージしかなかった鈴木さんにとって、その家、OMソーラーの家は、「こういう家があるんだ」と驚くばかりでした。
住宅雑誌等を覗けば、そこで目にしたOMソーラーの家のように、無垢材や漆喰など自然素材を使った家が紹介されていますが、「家づくりはまだ先」と考えていた鈴木さんが、そうした雑誌を目にすることも、そうした家の存在を知らなかったのも、無理もないこと。
その上OMソーラーの家は、太陽のエネルギーを使って床暖房をするというのですから、さらに驚きは2倍です。「私の生まれ育った家は、冬には家の中で息が白くなるほど寒かった」という寒さが苦手な奥様にとっては、まさに願ったり叶ったり。
工務店を訪れてから数日後、見学会に参加したご夫妻は、実際にOMソーラーの家を体感し、「感覚的に気持ちの良い暖かさだと感じました」と、環境共生技術といった理屈よりも、若い感覚で共感。日本の気候風土に適した自然素材を使った家に、現代の技術をうまくマッチさせた心地良い温もりのOMソーラーの家との出合いによって、「OMソーラーの家を建てよう」、と家づくりへ決意を固めたのです。


【左】和の雰囲気を醸し出す土間天井の照明。
【右】かわいい花が植えられた玄関先の郵便受けの下。
みんな一緒に家で過ごす時間が増えました。
窓があるため明るい風呂場へ続く廊下。
「まだ先のこと」と思っていた家づくり。「いずれは‥」と思いつつも、踏み込めなかったその訳は、「家とはこういうもの」という思い込みがあったからでした。縁側や土間があり、襖を開ければ広い空間となる築百数十年の日本家屋で育った奥様には、自然素材や開放的な空間への愛着があったのですが、それまでそのことに気付いてはいませんでした。古い家でしたから気密や断熱が十分でなく、冬は寒いという難点は確かにありましたが、それでも化学建材に頼らない昔ながらの家が、大好きだったのです。
現代の家は化学建材が使われているものと思い込んでいた奥様にとって、自然素材をふんだんに使い、太陽熱を利用した床暖房のOMソーラーの家は、まさに目からうろこ。「これこそ望んでいた家そのもの」と、改めて自分の思いに気付いたのです。
1階南側の木製デッキは子どもたちの遊び場に。
下に収納が設けられ一段高くなっている2階子ども室。
こうして意を決したからには後悔のないよう、家づくりに次々とアイデアを盛り込んでいきます。「目線が違うのはいや」と、キッチンは居間より一段下げてつくりました。土間はもちろんはずせない要素です。「個室はつくりたくない」と、2階に子どものスペースはありますが、吹き抜けを通して1階と一体感のある空間にしました。南側には明るく広いお風呂場を、それから薪ストーブもと、希望をたくさん生かした家にしました。
2007年3月に完成してから1年半。「念願だった薪ストーブですが、OMがあるので薪ストーブをつけると暑いぐらいなの」と笑う奥様。ご実家でも数年前に薪ストーブを入れたそうですが、薪の使用量がご実家と鈴木さんの家とでは全然違うのだとか。また、夏にはお湯がたっぷりと採れて、「灯油代が助かります」と笑顔です。
OMソーラーの家との偶然の出合いは、鈴木さんご家族にたくさんの影響や変化をもたらしました。まず、自然素材を使った家で暮らすうちに、「何か物を買うにしても、選ぶことが出来るのなら、できるだけ自然に還るものを選ぶようになりました」。また、家にいるのが心地良いから、外出するよりも家族みんなで家の中で過ごす時間が増えました。子どもたちも明るく活発になりました。
スノコを利用してつくった階段下の収納。
木の家が触発させるのでしょうか、奥様は階段部分に収納引き出しをつくったり、デッキに本格的なブランコをつくったりと、ご主人顔負けの意外な才能を発揮し始めました。和の雰囲気が大好きというご主人は、土間に囲炉裏テーブルを置き、そこでお酒を飲むのが楽しみとなりました。
ひとつの「出合い」がこんなにも暮らしに変化をもたらすものなのかと、鈴木さんご家族の暮らしぶりを拝見していると、そう思わずにはいられません。「もしOMソーラーの家に出合っていなかったら、今でも家を建てていたかどうか。あのまま冷やかしで、終わっていたかもしれませんね」と感慨深げの鈴木さん。出合いは、本当に不思議です。