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群馬県高崎市・長橋さん

2001年3月築

「パッシブシステム」というところに、技術者として興味を持ちました。

設計ファイル

対角線に、垂直に視線を延ばし、空間をより広く感じさせる工夫を。

写真:群馬県高崎市・長橋邸

長橋さんの家は、OMソーラーのシステムを活かし、家全体に空気が回るようにと、1階・2階ともにワンフロアーの大きな空間を設けることにしました。そして1200mmモジュールにすることで、さらに広がりある空間を実現しています。

また開放感を演出するために、どこに立っても対角線に視線が抜けるよう考えられています。1階のデッキを三角形にしたのも、その効果を期待してのもの。さらにデッキから外階段、2階のバルコニーへと、目線は垂直方向へも伸びていきます。

ゆとりある玄関は、ご主人の趣味である蕎麦打ちで、蕎麦粉を挽くためのスペースとして確保された広さ。食卓テーブルも、実は、蕎麦打ちの作業をするための高さにと特別にオーダーしたものだそうです。

 

写真:広々とした玄関 写真:2階バルコニー 写真:雨水タンク
【左】蕎麦作りが趣味のご主人は、臼で蕎麦粉を挽くために玄関に広いスペースを設けた。
【中】外階段が架けられた2階バルコニー。1階の庭から2階へと視線も動線も延びていく。
【右】2階バルコニーに置かれた雨水タンク。ここに貯まる雨水だけでも、庭の水遣りには十分だそう。

建物概要


群馬県高崎市・長橋さんの家平面図(クリックで拡大:92KB)

家づくりと暮らし

OMソーラーだからこそ可能となる大きな空間づくりを実現したい。

ご主人手作りのラチスフェンスが来る人を迎える長橋さんの家。

「マンションのリビングにガスの床暖房が入っていましたので、床暖房の気持ち良さはわかっていました。でも“太陽の熱と空気でやるとなると、どこまでできるのかな?”と思いましたし、同時に、夏はどうかな、春と秋は中途半端になるのかな、という印象でした」

精密機械メーカーにお勤めの長橋さんとOMソーラーとの出会いは、工務店の専務である高校時代の友人が、OMソーラー協会の会員となり、「今度こういう家を建てたから見学会においでよ」と誘われたことがきっかけでした。

その際、OMについての説明を受け、資料を読んだ長橋さんが最初に感じた印象が冒頭の言葉です。このようにシステム自体についてはすぐに理解できたという長橋さんは、今度は、冬の建物見学会での実際の体感を通して、“なるほど”という実感をもったことで、OMソーラーの家づくりへの興味が増していくこととなります。

写真:吹き抜けから1階を望む吹き抜けより1階居間を見る。空気が家全体にまわるようにと、技術者のご主人自らも設計に力を注いだ。

「仕事で半導体の製造装置の設計をしているのですが、機械の温度管理などは100分の1℃までの精度が必要とされます。アクティブというのはある意味チカラづくですので、そういう仕事をしていると、逆にパッシブということに技術者としてすごく興味が湧くんです。同じことをするにも、“いちばんシンプルな形でどうしたらできるのか”というあたりが、設計のいちばん面白いところですから」

建築と機械という分野こそ違え、設計者としての立場からOMに興味を持ったという長橋さん。その後も何度も建物見学会に足を運び深く惹かれていく中、ついには購入して6年になるマンションを手離し、OMソーラーの家づくりに取り組むこととなりました。

写真:2階。のびのびした空間。2階も1階同様、ワンフロアタイプののびのびした空間に。北側に造り付けの勉強机を設けた。

「マンションはもともと一生住むつもりではありませんでした。東京まで新幹線通勤をしていましたので、駅に近いことを最優先にマンションを買ったのですが、子どもが生まれ2LDKでは手狭になりましたので、子どもの小学校入学を期に家を建てようと決めました」

2001年の春に完成した長橋さんのOMソーラーの家は、まずは基本的な設計案をご自身が考えたといいます。「OMで建てるからには、システムを十分に活かし空気を家全体に回さなければ意味がないですから」と描いた設計図は、「ここまでやるとは…」と工務店を唸らせたほどだったとか。

在来木造2階建ての長橋さんの家は、1階、2階ともにワンフロアーとなる広間空間で構成されています。唯一“部屋”らしい主寝室も、扉は設けてありません。長橋さんと奥さま、お子さん2人の一家4人は、仲良くひとつの部屋で休みます。

写真:デッキから望む玄関リビングの延長ともなる、三角形に張り出したデッキからのぞむ玄関。緑に包まれた愛らしい雰囲気。

「将来的に子どもたちが大きくなったらそれぞれの寝る場所を確保できるように、一応照明の位置などは考えて作りました。でも、なるべく部屋は小分けにしたくないなと思っているんです」。

OMソーラーだからこそ可能となる大きな空間づくりを実現していきたいという思いが、伸び伸びとした心地よい広がりを長橋さんの家に生んでいます。

エネルギー消費量は、以前と比べ、夏に大きな差が出ています。

高崎駅から徒歩15分ほど、幹線道路から少し奥まった住宅地の一角にある長橋さんの家。2年が経過し、実際にお住まいになった感想を伺いました。

「エネルギーの消費量からいいますと、マンションに比べて、夏に大きな差が開いていますね。光熱費のデータでは夏がガクっと下がっていて、冬がとんとんぐらい。もちろん床面積はマンションの方がずっと小さいですし、新しい家では太陽光発電をしているので正確な比較とはなりませんが、この家の方が全体的に消費量が落ちているのは事実です。それから、心配していた夏が予想外に暑くなかった。お湯採りができて、その上熱い空気が外に排出され、しかもオープンな設計の家なので風がよく通る、これらの組み合わせの効果で、家の中は意外と暑くないんですね。中途半端なんじゃないかなと思っていた春と秋は、太陽の熱を目一杯家に取り込むと暑過ぎてしまいますが、お湯採りができ、その分、熱がそちらに使われますから、ちょうどいい加減です」。

写真:蒔ストーブのある居間入居3年半を経た長橋さんの家。薪ストーブのある居間は、デッキの緑も取り込む気持ちのいい空間に。左に見えるのは、OMソーラーが生み出す温熱環境の中、たくさんの実をつけたレモンの木。

入居2年目の冬には、薪ストーブを導入した長橋家。「家族で泊まりに行った町営のコテージに薪ストーブがあって、みんなで“いいね”と言っていたんです」と、憧れでもあった薪ストーブです。

たいへん寒がりな奥様のためにも、しっかりと働いてくれるようです。秋も深まり本格的な冬を前に薪割りに精を出しているという長橋さんは、「ひと仕事増えてしまいましたよ」と言いながらも、とても楽しそう。薪を置く棚や端材入れなども手作りしたのだそうです。

「もともとモノを作るのが好きなんです。モノをこさえていないと、設計をしていても、それが良いものか良くないものかがわからなくなるんです。そういう意味でもいろいろ手を出すようにしています。」

OMソーラーを通して、家づくりとともに、暮らしづくりも楽しむ長橋さんご家族です。

写真:薪置き場の棚も手作り 写真:薪割りに精を出すご主人
【左】薪置き場の棚もご主人手作りのもの。冬に備えて着々と薪が積み上げられているよう。
【右】薪ストーブを導入して3回目の冬を前に、薪割りで汗を流すご主人。

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