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佐賀県伊万里市・畑島さん

2002年6月築

OMの家の住まい手たちが、この家の良さは住んでみれば分かると、みな口を揃えて言っていた。住んでみて、やはりそのとおりだと、今、確かにそう思う。

設計ファイル

凹型の中央に中庭を配置し、家のどこからも中庭が楽しめ季節を感じることができる家。

写真:佐賀県伊万里市・畑島邸

南に向かって凹型に建てられた畑島さんのOMの家は、窪んだ中央部分に中庭を配置し、それを挟んでお母様の居住部分とご夫妻の居住部分が東西に伸びる形に建てられています。身体に少しご不自由さの残るお母 さまのため、床はすべてバリアフリーで、車椅子でも対応できるよう配慮されています。

玄関を入ってすぐ正面に見える中庭には、1年中彩りを楽しめるヤマモミジが植えられ、玄関から、またお母様の部屋、ご夫妻の居住スペースの双方から眺められます。

この中庭と南側に設けられた家庭菜園の水やりは、雨水を瓶に貯められるよう雨どいに切り替え用の細工が施されており、3つの瓶に貯められた雨水によって賄われています。

写真:雨水貯め用の瓶 写真:中庭
【左】雨水貯め用の瓶はご主人のご実家からのいただきもの。庭や畑の水遣りはこれで十分。
【右】玄関ホールから中庭を臨む。美しい四季を彩るヤマモミジが目を楽しませてくれる。

建物概要


佐賀県伊万里市・畑島さんの家平面図(クリックで拡大)

家づくりと暮らし

住んでみて本当に気持ちがいいと実感。

佐賀県伊万里市は陶磁器の積み出し港として栄えた町です。市内には焼き物の町らしく、あちらこちらに陶磁器の人形や壷などが見られます。ここ伊万里駅から車で数分ほどの住宅地の一角に、かつての陶器商家を思わせる白壁の外観をした、畑島さんのOMソーラーの家があります。

写真:畑島邸外観 左手平屋建てがお母さまの居住スペース、右手2階建てが畑島さんご家族の居住スペース。どちらの屋根にもOM集熱ガラスが搭載されている。

奥様手作りの陶器製の表札が出迎える玄関アプローチを抜け、上部にステンドガラスが填められた玄関の引き戸を開けると、ホール正面には大きなガラス戸越しに中庭が見えます。

この中庭を挟んで右手に奥様のお母さまの居住スペース、左手に畑島さんご夫妻とご長男、猫3匹が暮らす2階建てのスペースが広がっています。家の内部には 、ホールの壁に造り付けられた飾り棚をはじめ、陶磁器や陶製の人形など焼き物の数々や絵画などが、珪藻土の白い壁を背景に美しくディスプレイされています。

写真:玄関 写真:和室
【左】玄関ドアに填められたステンドガラスは作家に依頼して制作されたもの。光によって美しい表情を見せる。
【右】リビングの西側に続くこの家で唯一の和室。中庭も南側の庭も両方眺めることができる。

畑島さんのOMの家が完成したのは、2002年6月のことです。それまで官舎住まいをしていた畑島さんご家族は、唐津市で一人暮らしをされていたお母さまがご病気で身体が少し不自由になり、一人暮らしが困難となったことをきっかけに、同居のための家を建てることになりました。

家づくりにあたっては、まずはお母さまが生活しやすいよう、加えて家族にとっては介護がしやすいようにということを第一に考えました。そしてお母さまだけでなく、家族みんなが安心して暮らせる家を、と考えていた畑島さんがOMソーラーを知ったのは、住宅雑誌の中でのことでした。

「最初から家を建てるなら木造の家をと考えていましたが、OMの吹き抜けの感じといい、太陽の熱を暖房やお湯とりに使うという自然を活用するというシステムといい、興味深く面白いと思いました。

今は環境志向の時代です。職場でも冷房や暖房温度を抑えていましたからね」畑島さんはさっそくインターネットで県内の加盟工務店を探し出し、連絡を取ります。

そして訪れた工務店から「実際にお住まいになっている方の意見を聞かれてみたらいかがでしょう」と、その日のうちに3軒ほどOMの家を案内されました。

写真:畑島邸外観 念願の畑もこしらえて。この家同様、太陽の恵みを受けすくすくと育つ野菜を見ながら、土いじりは楽しい、と畑島さんご家族。

雑誌やパンフレット等でOMについての知識は得ていたものの、体験するのは初めてという畑島さんにとって、訪れたOMの住まい手達から口々に聞かれる、「この家の気持ち良さは住んでみれば分かりますよ」と言う言葉は、実際に住んでいる人の意見がいちばん確かだろうと、気持ちをますます傾かせるものとなりました。

また「吹き抜けの開放感に惹かれた」という畑島さんは、OMソーラーが生み出す大きな空間でも温度差の少ない心地良い室内環境が、気持ちを固めた一因となりました。

自然素材に囲まれた家の中でより一層輝きを増すコレクションの品々。

1階の床材に唐松、2階の床に杉の無垢材、構造材には熊本の小国杉、壁には珪藻土と、身体にやさしい自然素材をたっぷりと使用した畑島さんの家は、OMならではの自由度を生かし、車椅子でもスムースな動線となるよう、間仕切りを少なくしたバリアフリーとなっています。

写真:お母さまの部屋 唐松の床材がお気に入りというお母さまの部屋。足踏みミシンがいまだ現役で活躍中。

リビング上方にはご主人念願の大きな吹き抜けを設け、太陽のほんわかとした暖かさを家中に回しています。「僕の実家は古い家なので、暖房をしている部屋は暖かくても、一歩廊下に出るとすごく寒い。この家はどこにいても温度差がそれほどないので過ごしやすいですね。実家に行っても、なんだかすぐにこの家に帰りたくなってしまうんです( ご主人)。」

また、設計の際、バリアフリーとともに注文したのが、コレクションを飾るためのスペースでした。お母さまの先祖代々受け継いだものをはじめとする数多くのコレクションに加え、畑島さんご夫妻にも趣味で買い集められたものがあり、同居によって増えたそれらの品々がしっくり納まる場が必要でした。

写真:ご夫妻お気に入りの品々 写真:飾り棚
カウンター裏の飾り棚に納められた器の数々。
ご夫妻が陶器市等でこつこつと集められたお気に入りの品ばかり。

写真:太陽のぬくもりで猫も気持ち良さそう。「前の家は狭くて飾るスペースが限られていたため、季節ごとに入れ替えをしていました」というご主人は、専用スペースが設けられたことで、あるものすべていつも身近に置いておきたいと、その飾り付けを楽しまれています。大切に集められた人の手の温もりを伝えるコレクションは、こうして自然素材に包まれた家の中で新たな居場所を見つけ、より一層の輝きを放ち、家全体がギャラリーのような雰囲気を醸し出しているのです。

写真:階段 2階へ向かう階段横の珪藻土の白い壁に飾られた絵画も、ギャラリーのような雰囲気づくりに一役買っている。

さて、OMソーラーの家に暮らして2年、住み心地はいかがでしょう、とお尋ねすると、「この家の住み心地の良さは、ほかとは比べ物になりませんね。やはり“住んでみると分かる”というのが実感です」と 畑島さん。家を建てる前に見学会で出会ったOMの家の住まい手たちと、同じことをおっしゃっています。

“心地良さ”というものは、ことばに置き換えて説明できるものではなく、自分の身体、五感で感じるものなのかもしれません。その証拠に、OMソーラーのシステムについて詳しくはご存知ないという お母さまと、そして3匹の猫達が、「いちばんこの家のこと、喜んでいるみたいですよ」と奥様は笑っていました。

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