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北海道茅部郡・長利さん

2003年8月築

新しい人生は、支えてくれた妻とともに
自然の中でのんびりと暮らしていきます。
大切な毎日をじっくりと噛みしめ、味わいながら。

設計ファイル

畑から台所まで連続性を持たせた動線に。

写真:北海道茅部郡・長利さんの家 北海道へ移住し、フォルクスAで新たな生活を始めた長利さんご夫妻。仕事とも楽しみともいえる畑仕事をするため、畑から物置へ、物置から勝手口を通って台所へと、連続性を持たせた動線になっています。また、畑で採れた野菜を使い、ご夫妻一緒に料理をされるという長利さん。流しや調理台、さらに洗面カウンターも、すべてご主人の身長に合わせて高めに造られています。

写真:緑に紺色の外観が映える
北海道の豊かな自然の中に穏やかに
調和する長利さんのフォルクスの家。

2階はそれぞれの寝室の間に納戸を設け、どちらからも入ることができるようになっています。両側の扉を開け放てば、納戸を通してお互いの気配が感じられ、何か異常が起こってもすぐに分かるようにとの配慮があります。トイレは1階と2階の2ヶ所に設け、1階のトイレは車椅子でも使用できるようバリアフリーになっています。

写真:キッチンと調理台 写真:2つの寝室をつなぐ納戸
【左】キッチンカウンターも手前の調理台もご主人の身長にあわせ高めに造られている。
【右】納戸越しに見たご主人の寝室。納戸は両側から出入りができ、開け放てば2つの寝室をつなぐ。

建物概要


北海道茅部郡・長利さんの家平面図(クリックで拡大)

家づくりと暮らし

「これからはのんびりと暮らしたい」。その思いを包む、OMソーラーの家。

写真:生垣越しに見る外観 自然がつくり出す美しい赤い実に彩られた生け垣越しの長利邸。

東京ドーム50個分ほどの広大な面積に、美しい広葉樹の林がどこまでも続く別荘地。この自然豊かな別荘地の一画に、長利さんのOMソーラーの家はあります。エゾリスが庭で遊び、時折キタキツネも顔を覗かせるというこの別荘地は、函館市から北へ50キロ、駒ヶ岳の山麓に広がる道南有数の温泉の町、鹿部町にあります。

太平洋に面し、北海道の中でも温暖な気候の鹿部町に長利さんが移り住んだのは2003年8月、55歳の時。長利さんはいわゆる「団塊」と呼ばれる世代です。団塊世代は2007年から定年退職期を迎え ると言われていますが、長利さんは一足先に早期退職を決めて移住されました。

それまでは千葉県市川市の駅前のマンションにお住まいで、「生活には便利だけれど、一生住むところではない」。そう思っていた長利さんは、「57歳ぐらいになったら退職してどこか別の地で暮らそう」と、以前から奥さまと話し合っていたといいます。

写真:餌台 遊びにやってくる小鳥のために手作りの餌台が設けられている。

ところが健康診断で問題が見つかったことで、予定は急遽前倒しに。「あとで深刻ではないことが分かって安心はしたのですが、その時初めて今までの自分の人生を振り返り、これはもう仕事なんかしている場合じゃないぞと思ったんです。これからはお金なんかなくてもいいから、家族との時間を大切に、好きなことをして生きていこうと。それでいずれ退職するのだから」、と定年を待たずに早期退職を決意されたのでした。

移住先として北海道を選んだのは、長利さんは子どもの頃、札幌に住んだことがあり、「北海道はもともと移住者に開拓された土地で、他の土地から来た人が多く、新しく入って行く者にとっては入りやすい」ことを実感していたから。

写真:ベンチで一休み 畑仕事の合間にひと休み。お互いに身体をいたわり合いながらの共同作業です。

こうして予定していた時期よりも少し早くはなりましたが、希望どおりに移住をすることに。田舎暮らしを紹介した書籍で知った鹿部町に土地を購入し、そこに新たな人生をのんびりと過ごすための家として、OMソーラーの家を建てることに決めました。

「千葉にいた時に新聞広告でOMソーラーを知り、すぐに『これはいい』とピンと来ました。太陽の熱を利用して床暖房すること、空気が循環すること、近くのモデルハウスで実際に体感してから、『家を建てるならOM』とずうっと思っていましたから」と長利さん。中でも「頑丈そうで安心感がある」と、フォルクスAを選びます。こうして千葉と北海道という距離を隔てた家づくりが始まりました。OMソーラーの会員工務店の中から「資料を比べてみて、センスがぴったり」と工務店を選定した長利さん。実際に北海道の工務店を訪ね、誠実な人柄と丁寧な対応ぶりから「お任せできると思った」と判断し、家づくりを委ねます。

写真:車庫兼物置 北側の車庫を兼ねた物置。右手前に勝手口がありキッチンにつながっている。

家づくりを託された工務店は、遠く離れた地からの家づくりであることを考慮し、「どういう家でどういう暮らしを望んでいるか」、という意思の確認に全力を傾けます。さらにその理解を基に、土地の気候や環境を熟知した地域工務店ならではの技術を家づくりに生かすことで、長利さんの信頼に応え、「思ったよりも、ずっと住みやすい家ができました」との満足を得ることができたのです。

冬でも晴れ間が多く、OMが機能して十分に快適。

写真:料理中のご夫妻 畑仕事もお料理も、ご主人は奥さまのサポート役に徹している。

「これからは好きなことをしながら、のんびりと生きていきたい」と、OMソーラーの家とともにスタートした長利さんの新たな人生。団塊世代は人数が多い分、競争も過酷で、その中をただひたすら走り続けた半世紀でした。折り返し点を過ぎ、健康に不安を覚えたことをきっかけに、サラリーマン生活を卒業し、新たな人生を歩むと決めた長利さん。

その貴重な時間を過ごす家として選んだフォルクスAでの暮らしを、「冬でも晴れ間が多いのでOMが機能していて、外がマイナス5度とか10度でも、暖房は朝晩つけるだけ。あとはOMだけで十分に快適」と満足そうなご様子。そしてその毎日はといえば、「朝起きてお風呂に入り、ご飯を食べたら散歩をして、畑仕事をして夕方からお酒を飲んで寝る。雨の日は読書をして過ごす」という、まさに晴耕雨読の日々だといいます。

写真:大きな絵が飾られた玄関 写真:洗面台の脇に引き戸、その向こうがトイレ
【左】熟年のご夫婦のお宅らしく落ち着いた雰囲気を醸し出している玄関。
【右】2階の洗面台とトイレ。車椅子でも入れるよう、ゆったりとしたつくりになっている。

写真:寝室 たくさんの本が並ぶご主人の寝室。畑仕事のできない雨の日は本を読んで過ごす。

移住して初めて体験する畑仕事は、「『野菜の育て方』という本を読みながら試行錯誤」で悪戦苦闘の毎日です。「慣れないから腰が痛くて、時々椅子に座って休みながらでないと大変なの」という奥さま。

それでも「二人で遊んでいる感覚なんです。泥遊びみたいで面白い」と微笑み合うお二人は仲睦まじく、「二人きりの生活ですから、助け合わなければね」という長利さんを、奥さまが頼もしそうに見つめます。

「お店で売っているようなきれいな野菜じゃないけど、不細工でもいとおしくて美味しい」という採れたての野菜を使い、料理も二人一緒です。「僕は下ごしらえとか仕込みをするんです。助手ですから。畑仕事も僕は助手なんです(笑)」という長利さん。新たな人生の主役の座は、サラリーマン時代を支えてくれた奥さまにと、思いやりがそんなところにも表れています。

写真:窓からの眺めが美しいお風呂朝と晩二度入る温泉の引かれたお風呂。腰の具合も大分良好になったとか。

夢中で走り続け、いろいろなことを振り返るゆとりすらなかった人生の前半戦。新しい地で迎える後半戦は、「競争」ではなく、自然とともに、奥さまとともに手を携えての「共生」をキーワードに、大地を踏みしめながらのんびりと暮らしていきます。

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