2階建ての外観は残したまま、1階が暮らしの中心となる夫婦2人に最適な間取りと温熱環境へ。

改修のポイント

築21年の2階建ての事例です。住まいに愛着を感じていて外観をなるべく残したいという住まい手の希望がある中でも、数年後に定年を控え、子どもが独立という暮らしの変化により、「終の棲家(ついのすみか)」として将来に備えたバリアフリー化と、古くなった設備機器類の更新を考えていました。
これを受けて改修設計では、新たに寝室を1階に設けて1階完結型の住まいへ、設備機器の更新と合わせて現代の住まいに合う間取りへ変更、改修工事の対象範囲も1階に限定して行いました。

温熱改修

居住部分の天井・壁、基礎断熱を強化するとともに、断熱サッシに変更、また、天井高を下げて、居住部分の気積を減らすことで暖房負荷を抑えています。
南東、南西面の2つの下屋屋根ではOMソーラーの集熱を行い、床下に増打ちされたコンクリートに蓄熱を行いました。蓄熱なしの場合と比べて約30%の暖房エネルギー低減がシミュレーションで確認されています。

温熱改修で改善した温熱環境とエネルギー消費量

改修前後の近い外気温の日を取り出して室温を比較すると、改修後には、全体的に室温が底上げされただけでなく、昼夜の温度差、部屋ごとの温度差ともに低減されています(右「改修前後の冬の室温比較グラフ」参照)。
エネルギー消費量については、改修後、ガスがおおむね半減、電力も月平均200kWh減少しています。電気、ガス、灯油など、私たちが普段利用するかたちでのエネルギーの合計(二次エネルギー量)では、69%も削減しており、電力ソースまで遡るなど自然界にあるままのエネルギーのかたち(一次エネルギー量)で計算しても68%削減されています。CO2の排出量も69%削減されており、温熱面での快適化を図りつつ、消費エネルギーも大幅に削減できました。

その他の改修

構造的に、耐力壁を増やす、片筋交いのたすきがけ化、セットバック部分の水平剛性確保、外周部の梁接合部の強化などの耐震改修の他に、応接室の増築、居室移動の際の車いす対応、トイレとお風呂のバリアフリー化、リビングのワンルーム化など、「終の棲家(ついのすみか)」としての改修を行っています。

西側に開口部のあるリビング全景。改修前は夏の西日が厳しかった開口部は、庇を延ばし、防犯を兼ねた外付けブラインドを取り付けました。更に簾による日射遮蔽を行います。

西側に開口部のあるリビング全景。改修前は夏の西日が厳しかった開口部は、庇を延ばし、防犯を兼ねた外付けブラインドを取り付けました。更に簾による日射遮蔽を行います。

西日対策で庇を延ばした西側の屋根はOMの集熱面として利用。

西日対策で庇を延ばした西側の屋根はOMの集熱面として利用。

改修前後の冬の室温比較グラフ

改修前後の冬の室温比較グラフ

改修前後の1階の間取り
エコリノ読本
OMソーラーでの改修は、エコリノ読本で詳しく解説。
本事例についても詳しいデータとともに紹介されています。

エコリノ読本
種類:書籍
出版社:新建新聞社
発行日:2014年8月31日

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