OM羅針盤

OM羅針盤

このコーナーでは、私たちが家づくりの提案や研究開発の上で、
大切に考えていることをテーマごとにお伝えしていきます。

第一回
OMソーラーが考えるよい家とは(2)

これらのことを前提とした上で、家の最大の目的は、暑さ寒さを適度にコントロールされた生活をするのにストレスを感じない最高の温熱環境を末永く提供することだと考えます。

温熱環境とは「居間の温度が何℃なら快適」という単純なものではなく、住んでいる人が、毎日の暮らしの中でどう感じるかということです。「暖房で顔は火照ってるけど、背中や足元は寒い」とか、「寒いからトイレや洗面所には行きたくない」というような家では決してホッとする気分にはなれません。「冬はそういうものだ」というのでは民家や町家の時代と同じです。「夜中でも寒さを気にせずトイレに行ける」「スリッパを履いたり、靴下を重ねて履いたりしなくても快適に過ごせる」という家づくりのためには、家の中のどこにいても大きな温度差を感じないよう工夫や、同じ部屋であっても頭の方と足元の温度差を小さくする工夫が必要です。

OMソーラーを導入した建物と集熱・室内温度の変化

では、一年中、一定の室温を維持することがいいことなのでしょうか。私たちは病院などの特殊な環境を除けば、むしろ適度な変化は必要と考えています。OMソーラーの考案者である建築家・奥村昭雄は「人間には強制的に作り上げた安定した環境よりも、自然のリズムと調和した温度変化の方が好ましい」としました。人は一日中、室内だけで暮らすわけではなく、外出して屋外の暑さや寒さにも晒されています。また、季節の変化によって温度に対する感じ方も変わるものです。だから家の中の温度も、1日、1年と同じようなリズムで変化した方が自然だという考え方です。とはいえ、真夏の暑さ、真冬の寒さなどは不快であり、高すぎたり低すぎたりする室温は人体にとって危険な場合もあります。そういった過酷な環境から人間を守るのも建物の重要な役割です。自然の変化をどこまでを受け入れるのがよいのか、どの程度の温度の変化が人間にとって快適なのかという見極めが大事なのです。

年間を通じたOMソーラーの変化
年間を通じたOMソーラーの変化

こうした考えをもとに、気象条件と建物の性能から快適性や省エネ性能を予測するシミュレーションを開発し、OMソーラーの家の設計をする際には、一軒一軒の設計において利用しています。また、機器の開発や施工方法についても実践と検証を繰り返しており、現在でも、太陽熱を最大限に活かすための研究、より精度が高いシミュレーションの開発、温熱環境が住人の健康に与える影響の調査、そしてこれらを踏まえた新たなシステムの開発に取り組んでいます。

関連ページ技術開発の今
大切な事は「心地よさ」を実現させること

このように「心地よい家」のために大切なのは、どの技術や商品が優れているかという「選択」の視点ではなく、最適な組み合わせを考えることです。また、「建物と設備のどちらにお金をかけるべきか」という議論もみられますが、これも二者択一ではなく、「心地よさ」を実現させるという目的に対して適切なバランスで考えなければいけません。

自然エネルギーと上手につきあう暮らしには、体感的な快適さだけではなく、自然のありがたさや、季節の変化を感じられる喜びという恩恵もあります。一軒一軒の単位ではありますが、化石燃料の消費の削減にも確実に貢献しています。こうした精神的な喜びは、体感的な満足とともに心地よさにとって大切なことと私たちは考えます。

OM羅針盤

OMソーラーは30年前から一貫して太陽熱の有効活用を追求してきましたが、決してシステムや機械の形にこだわっているわけではありません。むしろその時代その時代の新しい技術を積極的に取り入れる挑戦を続けてきました。私たちが目指しているのは、住まい手にとっての快適、健康、利便性、経済性、精神的な満足の提供です。それを実現させるためのさまざまな方法については、今後、このコーナーで1つ1つ解説していきます。

OM羅針盤

第一回
OMソーラーが
考える良い家とは
第二回
OMソーラーと
四季の暮らし
第三回
OMソーラーを
COOLに選択